「子どもが熱を出したけど、今日は会議がある」
「お迎えの時間に間に合わないかもしれない」
子育てをしながら働く中で、こうした葛藤を抱えた経験がある人は少なくないだろう。
そんな悩みに真正面から向き合い、“働き方そのもの”を見直してきた企業がある。
IT・バックオフィス支援事業を展開する HugFlow株式会社(ハグフロー) だ。
今回は、同社代表の 山本彩香氏 に、子育て世代に寄り添う働き方づくりについて話を聞いた。
Q1:まず、HugFlow株式会社の概要を教えてください。
山本氏:
HugFlowは、企業向けの業務効率化ツールやリモートワーク支援サービスを提供している会社です。社員数は約80名で、そのうち半数以上が子育て中の社員です。
創業当初から「長く、無理なく働ける会社であること」を大切にしてきました。成果を出すために長時間働くのではなく、限られた時間の中で力を発揮できる組織を目指しています。子育てをしていてもキャリアを諦めなくていい、そんな職場を実現したいと考えています。
Q2:ワークライフバランスに力を入れるようになった背景は何ですか?
山本氏:
私自身が、出産後に「この働き方は続けられない」と感じたことが大きなきっかけです。
保育園の送迎、子どもの体調不良、仕事との両立に悩み、「頑張りたいのに、頑張れない」自分を責めていました。
同じように悩む社員や知人を見て、これは個人の努力では解決できない問題だと感じました。
会社の仕組みそのものを変えなければ、子育てと仕事の両立は難しい。そう考え、制度づくりに本格的に取り組み始めました。
Q3:具体的には、どのような取り組みを行っているのでしょうか?
山本氏:
代表的なものは「完全フレックスタイム制」と「フルリモート勤務」です。始業・終業時間を固定せず、子どもの生活リズムに合わせて働けるようにしています。
また、「中抜けOK」を明文化しているのも特徴です。
保育園の行事や通院、学校からの呼び出しなど、仕事の途中で抜けることを“特別なこと”にしない。Slackに一言共有すればOK、というルールにしています。
「言いづらさ」をなくすことが、実は一番大切だと思っています。
Q4:子育て中のパパ・ママに特に好評な制度はありますか?
山本氏:
「子どもファーストデー」という独自制度があります。
これは、子どもに関する予定を最優先していい日を、月に1回自由に設定できる制度です。
たとえば「運動会の日は仕事を完全オフにする」「平日に親子で出かける」など、使い方は自由です。
有給とは別枠なので、「休むこと」への心理的ハードルが下がったという声が多いですね。
Q5:制度だけでなく、社内の雰囲気づくりで意識していることは?
山本氏:
「お互いさま」を言葉だけで終わらせないことです。
誰かが子どもの都合で抜けたら、自然とフォローが入る。その代わり、別の日に助けてもらう。
評価制度も、「長く働いた人」ではなく「チームにどう貢献したか」を重視しています。
子どもの話題が会議で普通に出てくるのも、当社らしい風景かもしれません。
Q6:パパ社員の育児参加については、どのように考えていますか?
山本氏:
当社では、男性社員の育休取得率はほぼ100%です。
短期間でもいいので、「育児の大変さを実感する経験」をしてほしいと考えています。
実際に育休を取ったパパ社員からは、「復帰後、パートナーへの見方が変わった」「仕事の進め方が効率的になった」という声が多いです。
育児は女性だけの問題ではなく、チーム全体の課題だと思っています。
Q7:ワークライフバランスの取り組みで、成果は出ていますか?
山本氏:
離職率が大きく下がり、復職率はほぼ100%です。
また、限られた時間で働く意識が高まり、生産性も向上しました。
何より、「この会社なら、ライフステージが変わっても働き続けられる」という安心感が、社員のモチベーションにつながっていると感じます。
Q8:今後、さらに力を入れていきたい取り組みはありますか?
山本氏:
今後は、子どもの年齢や家庭状況に応じた“選べる働き方”をさらに細かく設計していきたいです。
たとえば、小1の壁に対応した時短×裁量型勤務や、介護と育児のダブルケア支援なども検討しています。
また、社外に向けて「子育てと仕事の両立ノウハウ」を発信することにも力を入れていきたいですね。
Q9:最後に、子育て中のパパ・ママ読者へメッセージをお願いします。
山本氏:
仕事も子育ても、どちらも大切にしたいと思うのは、決してわがままではありません。
両立がつらいと感じるとき、それはあなたの努力不足ではなく、環境の問題かもしれません。
私たちは、「人生の一部として働ける会社」を増やしたいと思っています。
このサイトを読んでいる皆さんが、自分らしい働き方を選ぶヒントになれば嬉しいです。
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