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英語教育でバイリンガルは育てられる?家庭でできる育て方や年齢別のポイントを解説

「子どもをバイリンガルに育てたい」「家庭でどのような英語教育をすればいいの?」と考えている保護者は多いのではないでしょうか。

近年は、英語教育への関心の高まりから、幼児期から英会話教室やオンライン英会話、おうち英語を取り入れる家庭が増えています。しかし、「何歳から始めるべき?」「親が英語を話せなくても大丈夫?」「日本語の発達に影響はない?」など、さまざまな疑問や不安を抱えている方も少なくありません。

バイリンガルを育てるために最も大切なのは、早く始めることだけではなく、子どもの年齢や発達に合わせて英語に触れられる環境を継続的に整えることです。家庭での取り組みに加え、英会話教室やオンライン英会話を上手に活用することで、英語を自然に身につけられる可能性が高まります。

この記事では、バイリンガルとは何かをはじめ、英語教育は何歳から始めるのがおすすめなのか、家庭でできる育て方や英語学習を続けるコツをわかりやすく解説します。さらに、幼児におすすめの英語教育サービスも紹介します。

目次

バイリンガルとは?

国境を越えたコミュニケーションやグローバル化が加速する現代において、「バイリンガル」という言葉を耳にする機会が増えています。まずはその正確な定義や、関連する言葉との違いについてわかりやすく解説します。

バイリンガルの定義

バイリンガル(Bilingual)とは、ラテン語の「bi(2つの)」と「lingua(言語)」に由来する言葉で、「2つの言語を自由に使用できる人」のことを指します。

一般的なイメージでは「両方の言語をネイティブスピーカーレベルで完璧に話せる人」と考えられがちですが、言語学的な定義はそれほど厳密ではありません。日常会話が問題なくこなせるレベルから、読み書き・学術的な対話までこなせるレベルまで、その習熟度には多様なグラデーションが存在します。

また、幼少期に両親から自然に2言語を習得した「自然バイリンガル」だけでなく、成長してから学習によって2言語を習得した「学習バイリンガル」も含まれます。

バイリンガルとセミリンガル・マルチリンガルの違い

バイリンガルと混同されやすい言葉に「セミリンガル」や「マルチリンガル」があります。それぞれの違いを正しく理解しておくことが重要です。

マルチリンガル(Multilingual)

3つ以上の言語を自由に操る「多言語話者」のことです。バイリンガル(2言語)に対して、より多くの言語を扱える人を指します。ちなみに4言語ならクアリンガル、5言語以上ならポリグロットなどとも呼ばれます。

セミリンガル(Double Limited)

2つの言語環境で育ちながらも、どちらの言語も年齢相応のレベル(思考や概念形成に必要なレベル)に達していない状態を指します。現在は差別的なニュアンスを避けるため「ダブルリミテッド」と呼ばれることが一般的です。幼少期の不適切な言語環境によって生じる課題であり、早期の適切な教育的サポートが求められます。

バイリンガルを育てるために英語教育はいつから始める?

「バイリンガルに育てたい」と考えたとき、多くの保護者が気になるのが「何歳から英語教育を始めればよいのか」という点です。結論からいうと、英語教育は早く始めるほど英語の音やリズムに慣れやすい傾向がありますが、小学生から始めても十分に英語力を伸ばすことは可能です。大切なのは、子どもの年齢や発達に合わせた方法で、無理なく継続できる環境を整えることです。

幼児期から始めるメリット

幼児期は、言葉を自然に吸収しやすい時期といわれています。この時期に英語に触れることで、日本語と同じように英語の音やイントネーションを聞き分ける力が育ちやすく、発音も身につけやすいことがメリットです。

また、幼児は歌やダンス、絵本などを通して遊び感覚で学べるため、「英語=楽しい」という印象を持ちやすい傾向があります。英語への抵抗感が少ないまま成長できるため、その後の学校での英語学習にも前向きに取り組みやすくなるでしょう。

ただし、幼児期に始めれば必ずバイリンガルになれるわけではありません。英語に継続して触れる機会を作ることが重要です。

小学生からでも遅くない理由

「幼児期を過ぎてしまったから遅いのでは」と心配する必要はありません。小学生になると、日本語で物事を理解する力が身についているため、英語の文法や単語の意味を論理的に学びやすくなります。

また、小学校では英語教育が取り入れられているため、家庭学習や英会話教室を組み合わせることで、効率よく英語力を伸ばせます。年齢よりも「継続できる環境」を整えることのほうが、英語習得には大きく影響します。

年齢別の英語教育のポイント

0〜2歳は、英語の歌や絵本、音声教材などを活用し、「英語を聞くこと」を中心に取り入れるのがおすすめです。親子で英語の歌を楽しむなど、遊びの延長で英語に触れる機会を増やしましょう。

3〜6歳は、英語で簡単なやり取りができるようになる時期です。英会話教室やオンライン英会話を利用したり、英語のアニメを見たりすることで、「聞く・話す」力を育てやすくなります。

小学生は、読む・書く学習も取り入れながら、英語で考える力を育てることが大切です。英会話だけでなく、英検など目標を設定すると、学習へのモチベーション維持にもつながります。

バイリンガルを育てる方法

日本で子どもをバイリンガルに育てるためには、英語に触れる時間をできるだけ日常生活に取り入れ、継続することが大切です。一度に多くのことを始める必要はありません。家庭でできることから少しずつ取り入れ、子どもが「英語は楽しい」と感じられる環境を作りましょう。

家庭で英語に触れる時間を増やす

バイリンガルを目指すうえで大切なのは、英語を特別な勉強ではなく、生活の一部にすることです。

例えば、「Good morning」「Thank you」「See you」など、日常で使いやすいフレーズを親子で使うだけでも、英語を身近に感じられるようになります。また、朝の支度や食事、お風呂など、毎日の生活のなかで英語を取り入れる習慣を作ることで、無理なく英語に触れる時間を増やせます。

長時間まとめて学習するよりも、毎日少しずつ継続するほうが効果的です。

英語の絵本・歌・動画を活用する

幼児期は、楽しみながら学ぶことが英語習得への近道です。そのため、英語の絵本や童謡、アニメなどを積極的に取り入れるとよいでしょう。

英語の歌は、リズムに合わせて自然とフレーズを覚えられるため、発音やリスニング力を育てるのに役立ちます。また、英語の絵本はイラストを見ながら内容を理解できるため、英語がわからなくても楽しめます。

最近では、子ども向けの英語動画や学習アプリも充実しているため、年齢や興味に合わせて取り入れるのもおすすめです。

英会話教室・オンライン英会話を利用する

家庭学習だけでは英語を話す機会が限られるため、英会話教室やオンライン英会話を活用するのも効果的です。

英会話教室では、講師や同年代の子どもと一緒にゲームや歌を楽しみながら学べるため、英語を話すことへの抵抗感を減らせます。一方、オンライン英会話は、自宅で受講できるため送迎の負担が少なく、忙しい家庭でも続けやすい点が魅力です。

無料体験レッスンを利用し、子どもの性格や学習スタイルに合ったサービスを選ぶと、継続しやすくなります。

親も一緒に英語を楽しむ

子どもは保護者の姿をよく見ています。親が英語に興味を持ち、一緒に楽しむ姿勢を見せることで、子どもも自然と英語への関心を持ちやすくなります。

「親は英語が苦手だから…」と心配する必要はありません。一緒に英語の歌を歌ったり、絵本を読んだり、「これは英語で何て言うんだろう?」と親子で調べたりするだけでも十分です。

また、子どもが英語を話せたときには結果だけでなく、「頑張って話そうとしたね」と努力を認めることも大切です。成功体験を積み重ねながら、親子で楽しんで英語に触れることが、バイリンガルを育てるための大きなポイントになります。

バイリンガル教育で大切なポイント

子どもをバイリンガルに育てたいと考えたとき、ただ単に外国語(英語など)に触れる時間を増やすだけでは十分な効果は期待できません。子どもの健やかな成長と確かな語学力を育むために、保護者が心留めておきたい重要な4つのポイントを解説します。

母語(日本語)も大切にする

バイリンガル教育において最も陥りやすい落とし穴が、外国語の習得を優先するあまり「母語(日本語)」の育成をおろそかにしてしまうことです。言葉は単なるコミュニケーションツールではなく、物事を深く考え、感情を整理し、概念を理解するための「思考の基盤」です。

年齢相応の母語力が確立されていないと、論理的思考力や表現力全体が伸び悩み、どちらの言語も年齢相応のレベルに達しない「ダブルリミテッド(セミリンガル)」の状態に陥るリスクが高まります。まずは家庭内でしっかりとした日本語の絵本読み聞かせや対話を重ね、思考の根幹となる母語の土台を強固に築くことが大切です。

継続できる環境を作る

言語の習得には膨大な時間と継続的なアプローチが必要です。一般的に、子供が自然に語学を身につけるには数千時間単位での言語接触が必要とされており、一時的に集中して学ばせるだけでは定着しません。

特別なこととして無理にやらせるのではなく、毎日の生活の中に「自然に外国語が存在する環境」を仕組み化することが重要です。毎朝の準備中に英語の歌を流す、決まった時間にオンラインレッスンを受けるなど、ご家庭のライフスタイルに組み込んでストレスなく細く長く続けられる環境を整えましょう。

子どもの興味に合わせる

親の「学ばせたい」という意向を一方的に押し付けてしまうと、子どもは英語そのものを苦痛に感じ、強い拒絶反応を示すようになってしまいます。子どもが自発的に言葉を吸収するのは、常に「楽しい」「知りたい」と感じている瞬間です。

アニメ、恐竜、電車、おままごとなど、子どもが今一番夢中になっている興味関心に外国語を掛け合わせる工夫をしましょう。好きなキャラクターが登場する絵本や動画、ゲームを活用することで、遊びの延長線上として夢中になりながら自然と語学を身につけていくことができます。

成果を焦らない

子どもが新しい言語を理解してから実際に自分の言葉として口に出す(アウトプットする)までには、十分な言語の蓄積(インプット)期間が必要です。この期間は「サイレントピリオド(静かな時期)」と呼ばれ、すぐには目に見える成果が現れないのが普通です。

「なぜ喋らないの?」「覚えた単語を言ってみて」と成果を急かしたり発話を強制したりすると、プレッシャーを与えてしまいます。成長のスピードには個人差があることを理解し、気長に見守る姿勢が欠かせません。たとえ口に出さなくても、子どもの頭の中にはしっかりとインプットが溜まっていることを信じ、焦らず温かい目で見守り続けましょう。

幼児におすすめの英語教育サービス

幼児向けの英語教育サービスには、教室に通って学ぶタイプと、自宅で受講できるオンラインタイプがあります。それぞれ対象年齢や学習スタイル、料金などが異なるため、子どもの性格や家庭のライフスタイルに合ったサービスを選ぶことが大切です。ここでは、幼児期から始めやすく、実績や人気のある英語教育サービスを紹介します。

ベネッセ BE studio

ベネッセBE studio(ビースタジオ)の基本情報
項目内容
特徴年齢・発達段階に合わせたカリキュラム
対象年齢9か月頃~高校生
月額料金6,985円(税込)~※コースにより異なる
レッスン形式通学
おすすめポイント日本人講師・外国人講師コースを選べる

ベネッセ BE studioは、「しまじろう」で知られるベネッセグループが運営する英会話教室です。子どもの発達段階に合わせたオリジナルカリキュラムを採用しており、幼児期は歌やダンス、ゲーム、絵本などを取り入れながら、英語を自然に身につけられるレッスンを行っています。英語が初めての子どもでも、「英語って楽しい」と感じられる工夫が多く、無理なく英語学習をスタートできる点が魅力です。

また、日本人講師と外国人講師のコースから選べるため、英語に慣れるところから始めたい家庭にも、本格的な英会話を学ばせたい家庭にも対応しています。家庭学習用の教材も充実しており、レッスン以外でも英語に触れる習慣を作りやすいのもメリットです。英語を楽しみながら長く学習を続けたい家庭におすすめです。

はじめての英会話教室におすすめ!/

ECCジュニア

項目内容
特徴「聞く・話す・読む・書く」をバランスよく学べる
対象年齢2歳~高校生
月額料金6,600円(税込)~
レッスン形式通学
おすすめポイント全国に教室が多く通いやすい

ECCジュニアは、全国に多数の教室を展開する地域密着型の英会話教室です。幼児向けコースでは、歌やゲーム、カード教材などを取り入れたレッスンを通して、英語を楽しみながら「聞く」「話す」力を育てます。子どもの発達段階に合わせた教材が用意されているため、英語に初めて触れる幼児でも安心して学習を始められるでしょう。

また、小学生以降は「読む」「書く」学習も取り入れ、4技能をバランスよく伸ばせるカリキュラムが特徴です。自宅学習用教材も充実しているため、教室で学んだ内容を家庭で復習しやすく、継続的に英語力を伸ばせます。近くの教室に通いたい方や、長期間英語を学ばせたい家庭におすすめです。

ペッピーキッズクラブ

項目内容
特徴独自の発音習得メソッドを採用
対象年齢1歳~高校生
月額料金3,773円(税込)~※教室により異なる
レッスン形式通学
おすすめポイント外国人講師とのレッスンも実施

ペッピーキッズクラブは、全国に教室を展開する子ども向け英会話教室です。独自の「ソルマーク式PRC-Method」を採用しており、日本人が苦手としやすい英語特有の発音やリズムを身につけられるよう工夫されています。幼児向けレッスンでは、歌やダンス、カード遊びなどを取り入れ、楽しみながら自然に英語へ親しめる環境が整っています。

日本人講師によるきめ細かな指導に加え、外国人講師と交流できる機会も設けられているため、実践的な英会話にも触れられます。幼児から高校生まで長く通えるカリキュラムになっていることから、「将来も継続して英語を学ばせたい」と考える家庭にもおすすめです。

セイハ英語学院

項目内容
特徴ショッピングモール内の教室が多い
対象年齢0歳~中学生
月額料金5,500円(税込)~
レッスン形式通学
おすすめポイント日本人講師と外国人講師のリレー指導

セイハ英語学院は、全国のショッピングモールを中心に教室を展開している英会話教室です。買い物のついでに通いやすく、送迎の負担が少ないことから、小さな子どもがいる家庭にも人気があります。0歳から受講できるコースも用意されており、親子で英語に触れられるレッスンからスタートできる点も特徴です。

レッスンは日本人講師と外国人講師が連携して行うため、英語を理解しながら実践的なコミュニケーション力も身につけられます。歌やダンス、ゲームなどを多く取り入れたレッスン内容で、子どもが飽きずに続けやすい工夫がされているのも魅力です。通いやすさと楽しさを重視して英語教育を始めたい家庭に向いています。

NOVAバイリンガルKIDS

項目内容
特徴外国人講師によるオールイングリッシュレッスン
対象年齢3歳~中学生
月額料金9,500円(税込)~※コースにより異なる
レッスン形式通学
おすすめポイント少人数制で実践的な英会話力が身につく

NOVAバイリンガルKIDSは、外国人講師によるオールイングリッシュのレッスンが特徴の英会話教室です。レッスン中は英語だけでコミュニケーションを行うため、英語を「勉強」として覚えるのではなく、自然と聞き取り、話す力を身につけやすい環境が整っています。少人数制のレッスンを採用しているため、一人ひとりの発話機会が多く、英語を使う経験を積みやすいことも魅力です。

レベル別にクラスが分かれているため、英語が初めての幼児でも無理なくスタートできます。また、振替制度に対応している教室も多く、急な予定変更があっても続けやすい点もメリットです。「実際に英語を話せるようになってほしい」「ネイティブの発音にたくさん触れさせたい」という家庭におすすめの英会話教室です。

QQキッズ(オンライン)

項目内容
特徴子ども専門のオンライン英会話
対象年齢3歳~15歳
月額料金2,980円(税込)~
レッスン形式オンライン
おすすめポイント全講師がTESOL資格取得・正社員講師

QQキッズは、子ども専門のオンライン英会話サービスで、初めて英語を学ぶ幼児から中学生まで幅広く対応しています。講師は全員が英語教授法「TESOL」のトレーニングを受けた正社員のため、子どもへの指導経験が豊富で、年齢や理解度に合わせたレッスンを受けられることが特徴です。

レッスンでは、ゲームやイラストを活用しながら子どもが楽しめる内容になっており、英語への苦手意識を持ちにくい工夫がされています。また、自宅で受講できるため送迎の必要がなく、忙しい家庭でも続けやすい点も魅力です。料金も比較的リーズナブルなため、「まずはオンライン英会話を試してみたい」という家庭にも向いています。

Novakid(オンライン)

項目内容
特徴子ども専用のマンツーマンオンライン英会話
対象年齢4~12歳
月額料金プランにより異なる
レッスン形式オンライン
おすすめポイントネイティブレベル講師による英語のみのレッスン

Novakidは、4〜12歳の子どもを対象としたオンライン英会話サービスです。レッスンは基本的に英語のみで行われる「イマージョン教育」を採用しており、英語を日本語に訳さず理解する力を育てられることが特徴です。マンツーマンレッスンなので、一人ひとりの理解度やペースに合わせて学習を進められます。

教材はゲーム感覚で学べる内容が多く、子どもが飽きずに取り組める工夫がされています。また、レッスンの進捗状況を保護者が確認できるため、家庭での学習サポートもしやすいでしょう。「自然な英語環境で学ばせたい」「オンラインでも本格的な英会話を身につけさせたい」という家庭におすすめです。

クラウティ(オンライン)

項目内容
特徴家族でレッスンをシェアできるオンライン英会話
対象年齢幼児~大人
月額料金4,950円(税込)~
レッスン形式オンライン
おすすめポイント学研監修教材・10分レッスンにも対応

クラウティは、学研が監修する教材を使用したオンライン英会話サービスです。最大の特徴は、1つの契約で家族みんながレッスンを分け合えることです。子どもだけでなく保護者も利用できるため、「親子で英語を学びたい」「兄弟姉妹で受講したい」という家庭に適しています。

幼児向けには10分の短時間レッスンも用意されているため、小さな子どもでも集中力が続きやすく、無理なく英語学習を習慣化できます。また、毎日レッスンを受けられるプランもあり、英語に触れる機会を増やしやすいことも魅力です。コストパフォーマンスを重視しながら、家族全員で英語学習に取り組みたい家庭におすすめです。

バイリンガル教育でよくある失敗

子どもをバイリンガルに育てようとする際、良かれと思って行った働きかけが裏目に出てしまうケースは少なくありません。あらかじめよくある失敗パターンを知り、無理のない取り組みを心がけることが大切です。

英語だけを優先してしまう

最も多い失敗が、英語力を伸ばしたい一心で日本語(母語)を制限したり、生活のすべてを英語に偏らせてしまうことです。

日本で暮らす子どもにとって、日本語は思考力や情緒、コミュニケーションの土台となる極めて重要な言語です。日本語の土台が不安定なまま英語ばかりを優先すると、結果としてどちらの言語も年齢相応のレベルに達しない「ダブルリミテッド(セミリンガル)」に陥り、学力や思考力全体に悪影響を及ぼすリスクがあります。

無理に勉強させる

親の焦りや期待から、カードの暗記や嫌がる英会話レッスンを無理じいしてしまうケースです。

子どもは「楽しい」「やってみたい」と感じている時に自発的に言葉を吸収します。親から勉強を強制されると、英語に対して「つまらない」「嫌だ」という強い拒絶反応を持つようになり、かえって英語から遠ざかってしまいます。早期教育のつもりが英語嫌いをつくってしまうのは本末転倒です。

継続できない

高額な教材を購入したり意気込んでスタートしたものの、数か月〜1年程度で挫折してしまうパターンです。

言語習得には数千時間単位の長い時間と日々の積み重ねが必要です。親の負担が大きい学習方法や過度なスケジュールを組んでしまうと、途中で息切れしてしまいます。一時的な集中学習よりも、細く長く日常に溶け込ませる工夫が欠かせません。

完璧を求めすぎる

「ネイティブと同じように話せなければ意味がない」「発音のミスをその都度訂正する」といった完璧主義も失敗の要因です。

間違いを細かく指摘され続けると、子どもは失敗を恐れて話す意欲を失ってしまいます。バイリンガル教育のゴールは完璧なネイティブを目指すことではなく、異文化の中で自分の意見を堂々と伝えられる対話力を育てることだと捉え直すことが大切です。

バイリンガル教育に関するよくある質問

保護者の皆様から寄せられるリアルな疑問や不安についてお答えします。

日本に住んでいてもバイリンガルになれますか?

十分に可能です。ただし、意識的に英語に触れる環境(インプットとアウトプット)を作る工夫が必要です。

日本国内に住んでいる場合、日常の会話やメディアは日本語が圧倒的多数を占めるため、放置していれば自然とバイリンガルになることはありません。しかし、毎日の絵本や動画鑑賞、オンライン英会話やインターナショナルスクールの活用など、家庭内で意図的に英語に触れる仕組みを作れば、日本にいながら豊かな英語力を育むことは十分に可能です。

親が英語を話せなくても大丈夫ですか?

まったく問題ありません。親の役割は教えることではなく環境を整えることです。

保護者自身が英語を話せる必要はありません。むしろ、無理に不自然な英語で語りかけるよりも、プロの教材、ネイティブの音声コンテンツ、英会話教室などを上手に頼るのがおすすめです。親は「一緒に楽しむファン」「環境を用意するプロデューサー」として、子どもの頑張りを褒めて応援してあげることが何よりのサポートになります。

英会話教室だけでバイリンガルになれますか?

週1回のレッスンだけでは難しいため、家庭学習との組み合わせが不可欠です。

一般的に習い事としての英会話教室(週1回・約50分)に通うだけでは、圧倒的にアウトプットとインプットの時間が不足します。英会話教室は「学んだ成果を試す場所」「実践の場」と位置づけ、日頃から家庭内で英語の音声を聞き流したり、絵本を読んだりする「おうち英語」をセットで行うことが成功の鍵となります。

何歳から始めるのがおすすめですか?

何歳からでもそれぞれの強みがありますが、音に自然に慣れ親しむなら「0〜3歳頃」がスムーズです。

耳が柔軟な幼児期(0〜3歳)から始めると、日本語にない発音やリズムを抵抗なく吸収しやすいメリットがあります。一方で、4〜5歳や小学生以降から始めても、論理的思考や言葉のルール理解を活かしてスピーディーに上達させることができます。大切なのは年齢の早さよりも、子どもの興味に合わせてスタートすることです。

日本語が遅れることはありますか?

一時的に語彙の切り替えや混ざりが見られることはありますが、正しく接していれば遅れる心配はありません。

2つの言語に触れている子どもは、それぞれの言語の語彙が分散されるため、一見すると「日本語の単語量が少ない」「2つの言語を混ぜて話す」ように見える時期があります。しかし、これは頭の中で2つの言語データベースを整理している正常なプロセスです。家庭内でしっかり豊かな日本語でコミュニケーションを取っていれば、成長とともに自然と両方の言語が育っていきます。

まとめ

子どもをバイリンガルに育てる上で最も大切なのは、結果を焦らず「英語を楽しむ環境」を細く長く作ってあげることです。

英語の習得ばかりに気を取られて母語である日本語のおろそかや、無理な勉強の強制をしてしまっては本末転倒です。日本語という確かな思考の土台を大切にしながら、お子様の興味関心に寄り添ったアプローチを心がけましょう。

失敗例や正しい知識を踏まえ、ご家庭のライフスタイルに合わせた無理のないペースで、親子で楽しみながらバイリンガル教育の一歩を踏み出してみてください。

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この記事を書いた人

小児看護師・助産師・保健師・IBCLC。
小児科・産婦人科における11年の臨床経験を基に、母子保健領域での支援活動に従事。新生児ケア、授乳指導、乳幼児の発達支援、育児相談など幅広い分野に対応している。
エビデンスに基づいた情報提供と、日常に落とし込みやすい具体的なアドバイスに定評があり、医療・育児分野の記事監修も行っている。
現在は自身も0歳児の育児に取り組んでおり、専門家としての知見に加え、実体験に基づいたリアルな視点からの情報発信を大切にしている。

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