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子どもの自己肯定感を高める褒め方とは?年齢別のコツやNG例・今日からできる声かけを解説

子どもの自己肯定感は、日々の親子の関わりや声かけによって少しずつ育まれていきます。特に、褒め方を少し意識するだけでも、「自分ならできる」という自信や、新しいことに挑戦する意欲につながります。

しかし、「たくさん褒めれば自己肯定感は高まるの?」「どんな言葉をかければいい?」「褒めすぎは逆効果にならない?」と悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、**子どもの自己肯定感を高める褒め方**について、自己肯定感との関係や効果的な褒め方のポイント、年齢別・シーン別の声かけ例、避けたいNGな褒め方まで詳しく解説します。家庭で今日から実践できるコツを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

Table of Contents

自己肯定感を高める褒め方とは?

子どもの自己肯定感は、生まれつき決まるものではなく、日々の親子の関わりの中で少しずつ育まれていきます。特に、親からの褒め方や声かけは、「自分には価値がある」「挑戦しても大丈夫」という気持ちを育てる重要な要素です。ここでは、自己肯定感の基本的な考え方や、褒め方との関係について解説します。

自己肯定感とは?

自己肯定感とは、「自分には価値がある」「ありのままの自分を大切に思える」という感覚のことです。何でも完璧にできることではなく、失敗や苦手なことがあっても、「自分は自分で大丈夫」と受け入れられる気持ちを指します。

幼児期から小学生の時期は、親や周囲の大人との関わりを通して自己肯定感が育つ大切な時期です。日々の声かけや接し方によって、自分に自信を持てるようになる子もいれば、失敗を過度に恐れるようになる子もいます。

自己肯定感が高い子どもは、新しいことにも積極的に挑戦しやすく、失敗しても前向きに立ち直る力を身につけやすい傾向があります。そのため、家庭での関わり方が将来の成長にも大きく影響すると考えられています。

子どもの褒め方が自己肯定感に与える影響

子どもは、親からどのように褒められるかによって、自分自身の捉え方が大きく変わります。ただ「すごいね」と褒めるだけではなく、何を頑張ったのか、どんな成長があったのかを伝えることが自己肯定感を育てるポイントです。

例えば、「最後まで頑張ったね」「難しかったのに工夫していたね」と努力や過程を認めてもらえると、子どもは「挑戦することに意味がある」と感じられるようになります。一方で、結果だけを評価され続けると、「成功しなければ褒めてもらえない」と考え、失敗を恐れるようになる場合があります。

日常の何気ない褒め方を少し意識するだけでも、子どもが自分を肯定的に捉える力は少しずつ育っていきます。

「褒める」と「認める」の違い

「褒める」と「認める」は似ているようで意味が異なります。褒めることは、成果や行動を評価して言葉をかけることですが、認めることは、その子の存在や努力、気持ちそのものを受け止めることです。

例えば、「100点を取れてすごいね」は成果を褒める言葉です。一方で、「毎日コツコツ勉強していたね」「難しい問題にも最後まで取り組んでいたね」は努力や姿勢を認める声かけになります。

もちろん褒めることも大切ですが、自己肯定感を育てるためには「できたこと」だけではなく、「頑張っている姿」や「その子らしさ」を認める関わりが欠かせません。認められる経験を重ねることで、子どもは結果に左右されない自信を育てていけるでしょう。


子どもの自己肯定感が高まる褒め方のポイント

自己肯定感を育てるためには、「たくさん褒めればいい」というわけではありません。どのような言葉をかけるか、何を認めるかによって、子どもの受け止め方は大きく変わります。ここでは、自己肯定感を高めるために意識したい褒め方のポイントを紹介します。

結果ではなく過程を褒める

自己肯定感を育てる褒め方では、結果よりも過程に目を向けることが大切です。テストで良い点を取ったことや試合で勝ったことだけを褒めると、子どもは「成功しなければ認めてもらえない」と感じる可能性があります。

一方で、「毎日頑張って勉強していたね」「最後まであきらめなかったね」と努力や挑戦を認めることで、結果に関係なく挑戦することの価値を実感できます。

過程を褒められた子どもは、失敗を恐れず新しいことにもチャレンジしやすくなり、自分の成長を前向きに捉えられるようになります。

努力や工夫した点を具体的に伝える

「すごいね」「えらいね」といった言葉だけでは、子どもは何が良かったのかを理解しにくいことがあります。

例えば、「最後まで集中して取り組めたね」「自分で考えて工夫していたね」「難しいところもあきらめなかったね」など、具体的に伝えることで、子どもは自分の良い行動を理解できます。

具体的な褒め方は、「また頑張ってみよう」という意欲にもつながります。日頃から子どもの行動をよく観察し、小さな努力や工夫にも目を向けることが大切です。

子どもの気持ちに共感しながら褒める

自己肯定感を育てるには、成果だけでなく子どもの気持ちに寄り添うことも重要です。

例えば、「難しかったけど頑張れたね」「ドキドキしたけど挑戦できたね」と気持ちを受け止めながら褒めることで、子どもは「自分の気持ちをわかってもらえた」と安心できます。

共感を伴った声かけは、親子の信頼関係を深めるだけでなく、自分の感情を大切にする力も育ててくれます。

小さな成長も見逃さずに認める

自己肯定感は、大きな成功だけで育つものではありません。昨日より少しできるようになったことや、自分なりに挑戦したことを認めてもらう経験の積み重ねが大切です。

例えば、「今日は自分からあいさつできたね」「昨日より早く準備できたね」と、小さな変化にも気づいて声をかけましょう。

小さな成功体験を積み重ねることで、子どもは「自分は成長できる」という実感を持ちやすくなり、自信につながっていきます。

他の子どもと比較せず褒める

「○○ちゃんより上手だね」「お兄ちゃんより頑張ったね」と比較して褒めることは、一見良い褒め方のように見えても注意が必要です。

比較によって得られた自信は、相手との優劣に左右されやすく、他人と比べることが当たり前になってしまう可能性があります。

褒めるときは、「前よりできるようになったね」「最後まで頑張れたね」と、その子自身の成長に目を向けることが自己肯定感を育てるポイントです。

子ども自身の達成感を大切にする

親が一方的に評価するだけではなく、子ども自身が「できた」と感じる経験を大切にすることも重要です。

例えば、「できてどう思った?」「頑張った自分をどう感じる?」と問いかけることで、自分自身の成長に目を向けられるようになります。

自分で達成感を味わえる子どもは、他人から評価されることだけを目的にせず、自ら目標を持って挑戦できるようになります。こうした経験の積み重ねが、将来にわたって揺るぎにくい自己肯定感を育てる土台となるでしょう。

年齢別|自己肯定感を育てる褒め方

子どもの自己肯定感を育てる褒め方は、年齢や発達段階によって少しずつ変わります。その時期に合った声かけを意識することで、子どもは自分に自信を持ちやすくなり、前向きにさまざまなことへ挑戦できるようになります。ここでは、年齢別の褒め方のポイントを紹介します。

0〜2歳

0〜2歳は、親との関わりを通して「自分は大切にされている存在だ」と感じる時期です。この時期は結果を褒めるよりも、行動そのものを認めることが自己肯定感につながります。

例えば、「自分でスプーンを持てたね」「おもちゃを渡してくれてありがとう」など、小さな行動にも言葉をかけましょう。たとえ上手にできなくても、「やってみようとしたね」と挑戦を認めることが大切です。

また、笑顔や抱っこ、拍手などのスキンシップも大切な褒め方の一つです。安心感のある親子関係が、自己肯定感の土台となります。

3〜5歳

3〜5歳は、「自分でやりたい」という気持ちが強くなる時期です。この時期は、結果よりも努力や工夫を具体的に褒めることを意識しましょう。

例えば、「最後まで一人で片付けられたね」「難しいところも頑張っていたね」など、子どもが取り組んだ過程を言葉にして伝えることがポイントです。

また、「どうしてそうしたの?」と子どもの考えを聞きながら褒めることで、自分の行動に自信を持ちやすくなります。できたことだけでなく、「挑戦したこと」そのものを認めることが自己肯定感を育てます。

小学校低学年

小学校低学年になると、勉強や友達との関わりの中で成功や失敗を経験する機会が増えてきます。そのため、結果だけではなく努力や成長を認める褒め方がより重要になります。

例えば、「毎日少しずつ練習した成果が出たね」「昨日より漢字がきれいに書けるようになったね」と、以前の本人と比較して成長を伝えましょう。

また、失敗したときでも「最後まで頑張れたことがすごいね」と挑戦を認めることで、失敗を恐れずチャレンジできる気持ちを育てられます。

小学校高学年

小学校高学年は、自分自身を周囲と比較しやすくなる時期です。そのため、他人との比較ではなく、自分らしさや努力を認める声かけが大切になります。

例えば、「自分で計画を立てて取り組めたね」「最後まで責任を持ってやり遂げたね」と、自主性や考える力を評価すると、自信につながります。

また、「どう感じた?」「自分ではどこが頑張れたと思う?」と振り返る機会をつくることで、自分自身の成長を実感しやすくなります。親が評価するだけでなく、子ども自身が達成感を味わえるようサポートすることが重要です。


シーン別|子どもの自己肯定感を高める褒め方

日常生活の中には、子どもの自己肯定感を育てるチャンスがたくさんあります。同じ「褒める」でも、場面に合わせた声かけを意識することで、子どもの自信や挑戦する意欲をより伸ばすことができます。ここでは、シーン別の褒め方を紹介します。

勉強を頑張ったとき

テストの点数や成績だけを褒めるのではなく、勉強に取り組む姿勢や努力を認めることが大切です。

例えば、「毎日コツコツ続けていたね」「難しい問題にも最後まで挑戦したね」と声をかけることで、努力することの価値を伝えられます。

結果が思うように出なかった場合でも、「頑張った経験は次につながるよ」と励ますことで、失敗を前向きに捉えられるようになります。

お手伝いをしたとき

お手伝いをしたときは、「助かったよ」「ありがとう」と感謝を伝えることが自己肯定感につながります。

「お皿を運んでくれて助かったよ」「洗濯物をたたんでくれてありがとう」と具体的に伝えることで、自分が家族の役に立っていることを実感できます。

また、上手にできたかどうかよりも、「自分からやろうとしてくれたね」と行動そのものを認めることが大切です。

チャレンジして失敗したとき

自己肯定感を育てるうえで最も大切なのは、失敗したときの関わり方です。

「失敗したね」と責めるのではなく、「挑戦したことがすごいね」「最後まで頑張れたね」と努力を認めましょう。

さらに、「次はどうしたらうまくいきそう?」と一緒に考えることで、失敗を学びとして受け止められるようになります。失敗しても認めてもらえた経験は、新しい挑戦への自信につながります。

友達に優しくできたとき

思いやりのある行動を褒めることは、自己肯定感だけでなく社会性を育てることにもつながります。

例えば、「困っているお友達に声をかけられたね」「貸してあげられて優しかったね」と、具体的な行動を伝えながら褒めましょう。

「優しい子だね」と性格だけを褒めるよりも、「○○してくれたことが相手も嬉しかったと思うよ」と行動を認めることで、思いやりのある行動を続けやすくなります。

スポーツや習い事を頑張ったとき

スポーツや習い事では、勝ち負けや結果だけに注目しないことが大切です。

例えば、「毎日練習を続けていたね」「前よりできることが増えたね」「最後まであきらめなかったね」と、努力や成長に目を向けた声かけを意識しましょう。

試合や発表会で思うような結果にならなかった場合でも、「挑戦した経験は必ず力になるよ」と伝えることで、結果に左右されない自己肯定感を育てることができます。継続して努力する姿勢を認めてもらう経験が、子どもの大きな自信につながるでしょう。

子どもの自己肯定感を下げてしまうNGな褒め方

褒めることは本来、子どもの自信を育むための素晴らしいスパイスです。しかし、評価の基準や声かけのニュアンスを一歩間違えると、子どもに不要なプレッシャーを与えてしまうことがあります。親御さんが無意識にやってしまいがちなNG例を見ていきましょう。

結果ばかり褒める

テストで100点を取った、かけっこで1位になった、上手に絵が描けたなど、「目に見える成果や結果」だけを基準にして褒めるのは危険なNGアプローチです。 結果だけを評価され続けた子どもは、「良い結果を出さなければ親に認めてもらえない」「成果を出せない自分には価値がないんだ」と思い込むようになってしまいます。すると、失敗して親をがっかりさせることを恐れるようになり、少しでも難しそうな課題や新しいことへの挑戦から逃げる「守りの姿勢」が定着してしまいます。自己肯定感を高めるためには、結果がどうあれ、そこに至るまでの「本人の努力や試行錯誤のプロセス(過程)」にスポットライトを当ててあげることが不可欠です。

「すごいね」だけで終わらせる

子どもが何かをやり遂げたとき、内容をあまり見ずに「すごいね!」「えらいね!」といった一言だけで褒め言葉を終わらせていませんか。 いつも同じ定型文のような言葉だけで返されていると、子どもは「本当にお父さん・お母さんは自分のことを見てくれているのかな?」と、大人の言葉の表面的な薄さに気づいてしまいます。また、「すごい」という言葉は抽象的な「評価」であるため、具体的に自分のどこが良かったのかが子ども自身に伝わりません。褒める際は「すごい」で片付けず、「最後まで諦めずに色を塗れたね」「お友達に優しくおもちゃを貸せたね」と、具体的な行動を言葉にして実況中継してあげるのが正解です。

他の子どもと比較して褒める

「◯◯ちゃんより早く走れたね」「お兄ちゃんよりも上手に宿題ができたね」といったように、第三者を引っ張り出して「誰かと比較した優劣」で褒めることも大きな罠です。 他者との比較でしか褒められない環境で育つと、子どもの中に「誰かに勝たなければ自分には価値がない」という条件付きの自信しか育たなくなります。常に周囲の勝ち負けや顔色を気にするようになり、自分よりも優秀な子が身近に現れた瞬間に、自己肯定感が一気に崩壊してしまう脆さを持っています。比べるべきは周囲の他人ではなく、過去のその子自身です。「先週よりも綺麗に書けるようになったね」と、本人の純粋な成長に目を向けましょう。

大げさに褒めすぎる

子どもへの愛情が深いあまり、些細なことに対して「天才!」「世界一素晴らしい!」などと、現実の行動とかけ離れた過剰で大げさな褒め方をするのも逆効果になります。 幼児期を過ぎて物心がついてくると、子どもは自分の実力と親の過剰な評価との間にあるギャップに戸惑いを感じ始めます。「本当はそんなに凄くないのに、期待を裏切ってしまったらどうしよう」と無用なプレッシャーを感じたり、親から過剰な称賛をもらうこと自体が目的になってしまい、褒められないと全く行動しない承認欲求の強い状態になってしまう恐れがあります。等身大の行動を、素直にそのまま認めてあげる誠実さが大切です。

ご褒美ばかりで褒める

「宿題が終わったらお菓子をあげる」「テストで良い点を取ったらおもちゃを買ってあげる」というように、ご褒美(モノや特権)を条件にして子どもをコントロールする褒め方です。 モノによるご褒美は即効性があるため、つい頼ってしまいがちですが、これに頼りすぎると子どもの行動の目的が「お菓子やおもちゃが欲しいから」にすり替わってしまいます。ご褒美という外からの刺激がないと自発的に動かなくなるばかりか、だんだんと要求するご褒美のエスカレートを招くことになります。自己肯定感を育むために本当に必要なのは、モノではなく「自分の頑張りを親が見ていてくれた」という心の満たされ(内発的動機づけ)であることを忘れないでください。

自己肯定感を育てるために褒める以外でできること

「褒める」という行為は、親から子どもへの一方的な評価になりがちです。子どもの自己肯定感を心の奥底からしっかりと支えるためには、実は「褒めること以外」の日常的な関わりや環境づくりの方がはるかに重要な意味を持っています。

子どもの話を最後まで聞く

子どもが今日の出来事や自分の気持ちを一生懸命に話しているとき、家事の手を止めず、途中で「つまりこういうことでしょ?」と大人の意見で遮ったりしていませんか。 自分の話を途中で遮られずに、最後までじっくりと目を見て聴いてもらえる体験は、子どもにとって「自分は大切にされている」「ここにいていいんだ」という存在そのものへの全肯定感に直結します。たとえ話の内容がまとまっていなくても、親が「そっか、楽しかったんだね」「それは悲しかったね」と共感しながら最後まで聞き切ることで、子どもは絶大な情緒の安定と自分への信頼感を獲得することができます。

子どもに選択する機会をつくる

日々の生活の中で、子ども自身に「自分で選ぶ」「自分で決める」というチャンスをたくさん用意してあげることは、自己肯定感の自立心を育む素晴らしいアプローチです。 「明日の洋服はどっちにする?」「今日のおやつはリンゴとバナナどっちがいい?」といった、小さな2択の選択肢からで構いません。自分の意思で何かを決定し、周囲の大人がそれを「いいね」と尊重してくれたという経験の積み重ねが、「自分の選択には価値があるんだ」「自分の力で状況を動かせるんだ」という確固たる自信(自己効力感)へと繋がり、人生を力強く切り拓く主体性を作っていきます。

安心して失敗できる環境をつくる

子どもが何かを失敗したとき(水をこぼした、おもちゃを壊したなど)、家庭がそれを頭ごなしに怒られる場所ではなく、安心して失敗できる温かい場所であるかどうかが鍵になります。 失敗したときに「だから言ったでしょ!」ときつく叱責される環境だと、子どもは自分の存在全般を否定されたように感じ、萎縮してしまいます。失敗したときは、責めるのではなく「大丈夫だよ、次からどうすればいいか一緒に考えよう」と優しく声をかけてあげましょう。失敗は悪いことではなく、成長のための貴重なデータ収集であると家庭内で学べる環境こそが、折れない心(レジリエンス)と高い自己肯定感を育てます。

親自身が前向きな姿勢を見せる

子どもの自己肯定感を高めたいのであれば、一番身近なお手本である親御さん自身が、日々の生活を前向きに楽しんでいる後ろ姿を見せることが何よりも効果的です。 親が毎日「どうせ私なんて」「疲れた、最悪だ」と自分を否定する言葉を繰り返していると、子どもは無意識のうちにそのネガティブな自己評価の基準をコピーして育ってしまいます。親が完璧でなくても、「間違えちゃったけれど、次はがんばろう!」「お母さん、今の自分の仕事すごく楽しいんだ」と、前を向いて人生を肯定している姿を見ることで、子どもも自然と自分の未来や存在をポジティブに捉えられるようになります。

スキンシップや感謝の言葉を伝える

何か特別な成果を上げたときだけ褒めるのではなく、日常の中での何気ない「スキンシップ」や「ありがとう」という感謝の言葉を、惜しみなく伝えていきましょう。 「朝起きてくれて嬉しいよ」と抱きしめたり、「お皿を運んでくれて助かったよ、ありがとう」と言葉にしたりする関わりは、条件なしの「無条件の愛」を伝える最高のメッセージです。子どもは、親の役に立てたことや、自分の存在そのものが親を笑顔にさせているという実感を強く持つことで、「自分は生まれてきてよかったんだ」という、生涯揺らぐことのない自己肯定感の最も深い根っこ(存在給の自信)を育んでいきます。

子どもの褒め方・自己肯定感に関するよくある質問

子どもの自己肯定感を伸ばしていく過程で、多くの保護者が抱きがちなリアルな疑問や日々の接し方の悩みにQ&A形式でお答えします。

褒めすぎると自己肯定感は下がりますか?

褒める「量」ではなく、「褒め方(質)」の内容によっては下がってしまうことがあります。 子どもが良い行動をしたときに、たくさんの愛情を込めて何度褒めても問題はありません。しかし、先述したNG例のように「結果ばかりを評価する」「中身のない『すごい』を連発する」「ご褒美をちらつかせる」といった質の悪い褒め方を大量に繰り返してしまうと、子どもはプレッシャーを感じて自己肯定感を下げる原因になります。量をセーブするのではなく、プロセスの具体性や本人の成長に目を向けた「質の高い褒め方」を意識して、たっぷり認めてあげてください。

毎日褒めたほうがいいですか?

無理に褒め言葉を探す必要はありませんが、毎日の「肯定的な関わり」はとても大切です。 特別な出来事がない日に、無理やり「宿題をしてすごいね」などと不自然に褒めちぎる必要はありません。それよりも、普段の挨拶を笑顔でする、ご飯を食べている姿を愛おしそうに見つめる、話を「うん、うん」と楽しそうに聞くといった、日常の些細な「あなたのことを見ているよ、大好きだよ」という肯定のサイン(ストローク)を毎日送ってあげる方が、子どもの心のエネルギーをチャージするためにははるかに有効で自然なアプローチです。

兄弟姉妹がいる場合はどう褒めればいいですか?

決して兄弟姉妹間で比較はせず、完全に「1対1」の個人の成長にスポットを当てて褒めましょう。 「お兄ちゃんはもうできるのに」「妹のほうが上手だね」といった比較は、兄弟間の嫉妬や自己否定感を生む最大の原因になります。お兄ちゃんには「去年のあなたと比べてこれができるようになったね」、妹には「あなたのこういう優しいところが素敵だね」と、それぞれの個性と過去からの進歩だけを評価してください。また、可能であれば意識して個別に1対1で向き合う時間(デートの時間)を作り、特別感を味あわせてあげるのもおすすめです。

自己肯定感が低い子どもへの接し方は?

褒めて無理に自信をつけさせようとするよりも、まずは本人のネガティブな感情を「全受容」することから始めます。 自信を失っている子に「あなたならできる!」「すごいよ!」と励ましすぎると、子どもは「今の自分ではダメなんだ」とさらに追い詰められてしまいます。まずは「悔しかったね」「自信がなくなっちゃったんだね」と、本人の今のありのままの弱い気持ちに寄り添い、全肯定してあげてください。自分のドロドロした感情も親が受け止めてくれたという安心感(心の安全基地)があって初めて、子どもは少しずつ自分を好きになる力を取り戻していきます。

子どもを叱るときに気を付けることはありますか?

子どもの「人格(存在)」を否定せず、あくまで「やってしまった行動(事象)」だけを叱るようにします。 「あなたは何をやらせてもダメね」「本当に悪い子」といった言葉は、子どもの人格を直接攻撃し、自己肯定感を粉々に打ち砕く最悪のNGワードです。叱る際は、「あなたのことは大好きだけれど、お友達を叩くという『行動』は悲しいから絶対にダメだよ」「嘘をつくのは良くないよ」と、何が問題だったのかの「行為」だけをシンプルに指摘してください。叱った後は、長く引きずらずにいつも通り優しく接して、愛していることを伝えましょう。

まとめ

子どもの自己肯定感を育てるために本当に必要なのは、特別な能力に対して与えられる大げさな「称賛」ではありません。日々のささやかな生活の中で、自分の挑戦したプロセスを見守ってもらい、自分の選択を尊重してもらい、たとえ失敗しても「大丈夫、次があるよ」と笑顔で包み込んでもらえるような、アットホームで絶対的な安心感です。

親御さんが先回りの指示や、結果だけを評価する声を少しだけ引き算し、「あなたはどうしたい?」「がんばる姿、とっても素敵だったよ」と、子どもの内面に寄り添う声かけを1つ増やすだけで、子どもの表情は見違えるほど生き生きと輝き始めます。

完璧な親になる必要は全くありません。まずは今日の日常の中で、お子さんが話しかけてくれたときに家事の手をパッと止め、目を見て最後まで話を「そっか」と優しく聞き切ることから、笑顔で始めてみませんか。

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この記事を書いた人

小児看護師・助産師・保健師・IBCLC。
小児科・産婦人科における11年の臨床経験を基に、母子保健領域での支援活動に従事。新生児ケア、授乳指導、乳幼児の発達支援、育児相談など幅広い分野に対応している。
エビデンスに基づいた情報提供と、日常に落とし込みやすい具体的なアドバイスに定評があり、医療・育児分野の記事監修も行っている。
現在は自身も0歳児の育児に取り組んでおり、専門家としての知見に加え、実体験に基づいたリアルな視点からの情報発信を大切にしている。

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