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ロタウイルスワクチンとは?効果・副作用・接種時期・接種後の注意点をわかりやすく解説

「ロタウイルスワクチンって受けなきゃいけないの?」赤ちゃんを育てていると、そんな疑問を持つ保護者は少なくありません。ロタウイルスは激しい下痢や嘔吐を引き起こす代表的な感染症で、脱水症状につながることもあり、うんちや吐しゃ物を介して家庭内で広がりやすいのが特徴です。ワクチンは注射ではなく経口で接種する定期接種で、ロタリックスとロタテックのどっちを選ぶべきか迷う保護者も少なくありません。

この記事では、ロタウイルスワクチンの効果や副作用、接種後の授乳のタイミング、受けなかった場合のリスク、大人にもうつることがあるのかといった疑問まで、公的機関の情報をもとにやさしく解説します。

目次

ロタウイルスワクチンとは?

ロタウイルスワクチンは、赤ちゃんに多い胃腸炎の重症化を防ぐためのワクチンです。まずはロタウイルス感染症の基本と、ワクチンでどこまで予防できるのか、対象となる期間について見ていきましょう。

ロタウイルス感染症とは

ロタウイルス感染症は、ロタウイルスによって引き起こされる急性の胃腸炎で、主に5歳未満の乳幼児に多い急性胃腸炎です。水のような下痢、嘔吐、発熱、腹痛などの症状が特徴で、ふつう5歳までにほぼすべての子どもが一度は感染するといわれています。

脱水症状がひどくなると入院治療が必要になることもあり、ワクチン導入前は、5歳未満の急性胃腸炎による入院原因の多くを占めていました。感染力がとても強く、ごく少量のウイルスでも感染が広がるため、保育園や家庭内で一気に流行することも珍しくありません。

ワクチンで予防できること

ロタウイルスワクチンを接種することで、重い胃腸炎や、それにともなう入院を大幅に減らせることが分かっています。国内外の報告では、ワクチン接種によりロタウイルス胃腸炎による入院を約70〜90%減らせたとされています。

感染そのものを完全に防ぐことはできませんが、感染や発症のリスクを減らし、特に重症化を防ぐ高い効果があります。世界中の多くの国で導入されており、接種が広がったことでロタウイルスによる入院や重症例が減少したとの報告もあります。

定期接種の対象

ロタウイルスワクチンは、2020年10月から定期接種の対象になりました。対象となるのは、生後6週から接種可能な期間内の赤ちゃんで、公費(無料)で接種を受けることができます。定期接種になる以前は任意接種で全額自己負担だったため、家庭の負担が接種率に影響することもありましたが、定期接種化によってより多くの赤ちゃんが接種を受けやすくなりました。

定期接種には決められた接種期限があり、期限を過ぎると自己負担での接種となったり、そもそも接種自体ができなくなったりすることがあるため、スケジュールの管理が大切です。

ロタウイルスワクチンは2種類ある!どっちを接種する?

ロタウイルスワクチンには「ロタリックス」と「ロタテック」の2種類があります。どちらを選べばよいか迷う保護者も多いため、それぞれの特徴や違いを比較しながら紹介します。

ロタリックス(1価ワクチン)の特徴

ロタリックスは「経口弱毒生ヒトロタウイルスワクチン」と呼ばれる1価のワクチンで、合計2回の接種で完了します。1種類の弱毒化したロタウイルスをもとに作られていますが、異なるタイプのロタウイルスに対しても重症化予防効果があるとされています。

接種回数が少ない分、通院の回数を抑えられる点をメリットに感じる保護者もおり、多くの医療機関で採用されているワクチンのひとつです。

ロタテック(5価ワクチン)の特徴

ロタテックは「5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン」と呼ばれ、5種類の弱毒化したロタウイルスが含まれています。接種回数は合計3回で、ロタリックスより1回多く接種する必要があります。

複数のタイプのウイルスをカバーしていることから、世界的にも使用実績が多いワクチンで、幅広いタイプのロタウイルスに対する予防効果が期待されています。他の定期接種と同じタイミングで接種しやすいという声もあります。

どっちを選べばいい?

2種類のワクチンの有効性は同等と考えられており、どちらを選んでも重症化を防ぐ効果に大きな差はないとされています。選ぶうえでのポイントは接種回数で、通院の負担を減らしたい場合はロタリックス(2回)、こまめに小児科を受診できる場合はロタテック(3回)を選ぶ方もいます。

かかりつけの医療機関によって取り扱っているワクチンが異なることもあるため、まずは通院先でどちらが接種可能か確認してみるとよいでしょう。一度接種を始めたら、同じ種類のワクチンで決められた回数を完了させる必要があるため、どちらにするかは医師と相談のうえで決めましょう。

ロタウイルスワクチンの接種方法・スケジュール

ロタウイルスワクチンは、ほかの多くのワクチンとは接種方法が異なります。ここでは接種の仕方とスケジュール、そして見落としがちな接種期限について詳しく解説します。

経口ワクチンとして飲んで接種する

ロタウイルスワクチンは注射ではなく、口から飲む「経口ワクチン」です。赤ちゃんの口の中に直接液体のワクチンを入れる形で接種します。注射に比べて痛みが少なく、赤ちゃんの負担が軽いのが特徴です。針を使わないため、注射を怖がる赤ちゃんでも比較的スムーズに接種できることが多く、保護者にとっても安心感につながります。

接種直後に吐き出してしまうこともありますが、体内に入った量で十分な効果が得られることが多いため、通常は再接種の必要はないとされています。

接種できる時期・回数

接種は生後6週から可能で、できるだけ早く、生後14週6日までに1回目(初回接種)を受けることが勧められています。ロタリックスは27日以上の間隔をあけて生後24週までに2回接種、ロタテックは27日以上の間隔をあけて生後32週までに3回接種します。

ヒブや肺炎球菌など、ほかの定期接種のワクチンと同時に接種することも可能で、生後2か月になったタイミングでまとめて接種を開始する赤ちゃんも多く見られます。

接種期限を過ぎると受けられない

ロタウイルスワクチンには、他の多くの定期接種にはない厳格な接種期限が設けられています。これは、月齢が上がるほど後述する腸重積症のリスクが高くなるためです。ロタリックスは生後24週、ロタテックは生後32週を過ぎると、たとえ接種回数が終わっていなくても接種を受けることができなくなります。

里帰り出産や引っ越し、赤ちゃんの体調不良などでスケジュールが後ろ倒しになることもあるため、生後6週になったらできるだけ早めに1回目を受け、スケジュールに余裕を持たせることが大切です。

ロタウイルスワクチンの効果

ワクチンを接種することで、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。重症化の予防効果と、あわせて知っておきたい効果の限界について解説します。

重症化を予防できる

ロタウイルスワクチンは、ロタウイルスへの感染そのものを完全に防ぐものではありませんが、感染した際の重症化を防ぐ効果が高いことが確認されています。ワクチンを接種した赤ちゃんは、接種していない赤ちゃんと比べて、激しい下痢や嘔吐、発熱、脱水症状などの重い症状を起こしにくくなります。

ロタウイルス胃腸炎は、短時間で大量の水分を失い、点滴や入院が必要になるケースも少なくありません。特に体が小さく免疫機能が未熟な乳児は脱水が急速に進みやすく、重症化しやすい傾向があります。

ワクチンを接種しておくことで、たとえ感染した場合でも症状が比較的軽く済むことが多く、赤ちゃんの体への負担を大きく軽減できます。また、食事や水分補給がしやすくなることで回復も早まりやすく、看病する保護者の精神的・身体的な負担を減らせる点も大きなメリットです。

入院リスクを減らせる

ロタウイルスワクチンの大きなメリットの一つが、ロタウイルス胃腸炎による入院リスクを大幅に減らせることです。国内外の研究では、ワクチン接種によってロタウイルス胃腸炎による入院を約70〜90%減少させる効果が報告されています。

ロタウイルスによる重い脱水症状では、自宅での水分補給だけでは改善せず、点滴治療や数日間の入院が必要になることがあります。乳児は体内の水分量が少ないため、症状が急速に悪化することも珍しくありません。

入院になると、赤ちゃん本人の負担だけでなく、付き添いが必要な保護者は仕事を休まなければならなかったり、きょうだいの預け先を確保したりと、家族全体への影響も大きくなります。ワクチンによって重症化や入院を予防できれば、こうした生活面や経済面の負担を軽減できることも大きなメリットといえるでしょう。

完全に感染を防ぐわけではない

ロタウイルスワクチンは非常に有効なワクチンですが、接種すれば絶対に感染しないというものではありません。ワクチン接種後でもロタウイルスに感染する可能性はあり、下痢や嘔吐などの症状が現れることもあります。

ただし、接種していれば軽い症状で済むことが多く、重い脱水症状や入院に至るリスクといった重症化を防げる可能性が高くなります。「ワクチンを打ったのに下痢や嘔吐の症状が出た」という場合でも、多くは軽症で経過することが期待できます。ワクチンは「感染をゼロにする」というより「重症化を防ぐ」ことを主な目的としたものだと理解しておくと、実際の効果をイメージしやすくなります。

ロタウイルスワクチンの副作用

ワクチンにはメリットだけでなく、注意しておきたい副作用もあります。一般的な副作用と、腸重積症という特に注意が必要な症状について、順を追って解説します。

一般的な副作用

ロタリックスでは、ぐずりやすくなる(易刺激性)、発熱、下痢、食欲不振、嘔吐、便に血が混じる、お腹の張り、腹痛などが報告されています。ロタテックでは、下痢、嘔吐、便秘、発熱、中耳炎、鼻やのどの症状などが報告されています。

いずれも多くは接種後数日以内に見られる一時的なもので、重篤な症状に至ることはまれとされています。心配な症状が続く場合は、自己判断せずかかりつけ医に相談しましょう。

腸重積症に注意が必要

ロタウイルスワクチンの接種後は、腸重積症という病気のリスクがわずかに上昇することが知られています。腸重積症は、腸の一部がほかの腸に入り込んでしまう病気で、接種後約7日間は特に注意が必要とされています。

ただし、腸重積症はワクチン接種の有無にかかわらず、生後3か月ごろから2歳未満の赤ちゃんに起こりやすい病気でもあります。接種後約7日間は腸重積症の発症リスクがわずかに高まることが知られていますが、その頻度は非常に低いとされています。接種前後の症状の変化をよく観察することが大切です。

病院を受診したほうがよい症状

激しく泣いて機嫌が悪い状態を繰り返す、顔色が悪くぐったりしている、嘔吐を繰り返す、いちごジャムのような血の混じった便が出るといった症状は、腸重積症のサインである可能性があります。痛みが出たり消えたりを繰り返すのも特徴のひとつで、機嫌がよい時間があるからと安心してしまわないよう注意が必要です。

こうした症状が見られた場合は、様子を見ずにすぐ医療機関を受診してください。特に接種後約7日間はいつも以上に赤ちゃんの様子を意識しておくと安心です。

ロタウイルスワクチン接種後の注意点

接種当日から数日は、赤ちゃんの様子をいつも以上に気にかけてあげることが大切です。ここでは、授乳やうんちの処理、入浴・外出など、接種後によくある疑問について解説します。

接種後の授乳はいつからできる?

医療機関によっては吐き戻しを防ぐため、接種前後30分程度授乳を控えるよう案内されることがあります。それ以降は、通常どおり授乳して問題ないとされています。空腹の状態で接種すると吐き戻しにくいと感じる保護者もいますが、無理に授乳のタイミングを調整しすぎる必要はありません。

接種後に少し吐き戻してしまっても、多くの場合は体内に十分な量が入っているため、慌てず様子を見て問題ないことがほとんどです。

接種後のうんちの処理で気を付けること

ロタウイルスワクチンは生きたウイルスを弱毒化した生ワクチンのため、接種後しばらくは赤ちゃんのうんちの中にワクチン由来のウイルスが排出されることがあります。おむつ交換のあとは石けんでしっかり手を洗い、周囲の人にうつさないよう気を付けましょう。

使用済みのおむつはしっかり密閉して捨てる、おむつ交換に使うマットや台をこまめに拭くといった工夫も役立ちます。特に、免疫の弱い家族が同居している場合は、より丁寧な手洗いを心がけると安心です。

入浴・外出はできる?

接種当日も、赤ちゃんの体調が良ければ通常どおり入浴して問題ないとされています。ただし、接種部位を強くこすらないようにし、体調に変化がないかを確認しながら入浴させましょう。

外出についても、機嫌がよく元気であれば特に制限はありませんが、接種当日は激しい運動や長時間の外出は控えめにしておくと安心です。人混みの多い場所への外出も、体調が落ち着くまでは少し様子を見てもよいでしょう。

体調変化の観察は必須

接種後は、当日だけでなく数日間は赤ちゃんの様子をよく観察しましょう。発熱や下痢、嘔吐といった一般的な副作用に加え、機嫌の悪さが続く、ぐったりしている、血の混じった便が出るといった症状がないか、いつも以上に気を配ることが大切です。

育児日記やメモに体温や便の様子を簡単に記録しておくと、変化に気づきやすく、受診の際にも医師に説明しやすくなります。少しでも普段と違う様子が続く場合は、自己判断せずかかりつけ医に相談してください。

ロタウイルスワクチンを受けなかった場合のリスク

ワクチンを受けるかどうか迷っている保護者もいるかもしれません。ここでは、接種しなかった場合に考えられるリスクを、症状の重さと入院の可能性の2つの視点から紹介します。

重症化する可能性がある

ワクチンを受けなかった場合、ロタウイルスに感染した際に症状が重くなりやすいとされています。特に初めて感染する乳幼児では免疫が十分に備わっていないため、激しい下痢や嘔吐、高熱などの症状が現れ、短期間で体調が大きく悪化することがあります。

ロタウイルス胃腸炎は一般的な胃腸炎よりも症状が強く出ることが多く、何度も下痢や嘔吐を繰り返すことで、水分や栄養を十分に摂れなくなってしまいます。体力の少ない赤ちゃんにとっては大きな負担となり、機嫌が悪くなったり、ぐったりして元気がなくなったりすることも少なくありません。

ほとんどの子どもは5歳までに一度はロタウイルスに感染するといわれており、感染そのものを避けることは難しいのが実情です。そのため、「感染しないこと」ではなく、「感染しても重症化しないよう備えること」が重要とされています。ワクチンを接種していない場合は、その重症化リスクを十分に理解しておく必要があります。

脱水症状で入院することもある

ロタウイルス感染による最も注意すべき合併症のひとつが脱水症状です。激しい下痢や嘔吐が何度も続くと、体内の水分や電解質(ミネラル)が急速に失われ、乳児では短時間で重度の脱水に陥ることがあります。

脱水症状では、唇や口の中が乾く、おしっこの量が減る、泣いても涙が出ない、顔色が悪い、目がくぼむ、ぐったりして反応が鈍くなるなどの症状が現れることがあります。このような状態になると、自宅での水分補給だけでは改善が難しく、医療機関で点滴治療を受けるために入院が必要になるケースも少なくありません。

実際に、5歳未満の子どもの急性胃腸炎による入院の原因として、ロタウイルスは大きな割合を占めています。入院すると赤ちゃん本人の負担はもちろん、付き添いが必要になる保護者の仕事や家庭生活にも大きな影響が及びます。ワクチンは、こうした入院につながる重症例を減らすための重要な予防手段です。

接種するか迷ったら小児科に相談する

ロタウイルスワクチンを接種するか迷っている場合は、自己判断せず、かかりつけの小児科医へ相談することをおすすめします。保護者の中には「副反応が心配」「本当に必要なのか分からない」と不安を感じる方もいますが、ワクチンのメリットやリスクは赤ちゃんの健康状態や月齢によっても異なります。

小児科では、赤ちゃんの体調や既往歴を踏まえながら、接種の必要性や注意点、副反応について分かりやすく説明してもらえます。不安や疑問を直接相談することで、インターネット上の情報だけでは分からない点も解消しやすくなり、納得したうえで接種を判断できるでしょう。

また、ロタウイルスワクチンは接種できる期間が限られており、開始時期や接種間隔にも決まりがあります。迷っているうちに接種期限を過ぎてしまうと、受けられなくなる可能性もあるため注意が必要です。里帰り出産や引っ越しなどを予定している場合も、早めに小児科へ相談し、無理のない接種スケジュールを立てておくと安心です。

赤ちゃん以外や大人も腸重積になる?

腸重積症は赤ちゃんに多い病気というイメージがありますが、実際にはどうなのでしょうか。年齢による発症のしやすさの違いや、家庭内での感染対策について解説します。

赤ちゃんが最も重症化しやすい

腸重積症は、生後3か月から2歳ごろまでの赤ちゃんに多く見られる病気です。この時期の赤ちゃんは腸の壁が柔らかく、腸の動きの異常が起こりやすいことなどが理由として考えられています。

特に生後6か月から1歳前後で発症のピークを迎えるとされ、男の子は女の子よりも発症しやすい傾向があるとも報告されています。年齢が上がるにつれて発症する頻度は少なくなっていきます。

大人も起こることがある

腸重積は主に乳幼児の病気ですが、まれに大人にも起こることがあります。ただし、大人の場合はロタウイルス感染症が直接の原因になることは少なく、腸のポリープや腫瘍など、別の病気が背景にあるケースが多いとされています。

乳幼児の腸重積は原因が特定できない特発性のものが大半である一方、大人の腸重積は何らかの基礎疾患が隠れていることが多い点が大きな違いです。大人で激しい腹痛や血便が続く場合は、乳幼児とは異なる原因を考えて医療機関を受診する必要があります。

家族内感染を防ぐポイント

ロタウイルスは感染力がとても強く、赤ちゃんから大人にうつることもあります。大人が感染した場合は、比較的軽い症状で済むことが多いとされていますが、下痢や嘔吐などの症状が出ることもあります。妊娠中の方や高齢の家族が同居している場合は、症状が長引いたり重くなったりすることもあるため、特に注意が必要です。

看病をする際はマスクを着用し、赤ちゃんの吐しゃ物やおむつを処理したあとは念入りに手を洗いましょう。おむつ交換のあとの手洗いを徹底する、タオルを共有しない、看病する人を限定するといった工夫が、家庭内での感染拡大を防ぐことにつながります。

ロタウイルスワクチンに関するよくある質問

接種を検討する保護者からよく寄せられる疑問をまとめました。判断に迷ったときのヒントとしてお役立てください。

ロタウイルスワクチンは必ず受けるべきですか?

ロタウイルスワクチンは定期接種の対象ですが、法律上は努力義務であり、接種しなかったことによる罰則はありません。

しかし、ロタウイルスは感染力が非常に強く、ほとんどの子どもが5歳までに一度は感染するといわれています。特に乳幼児では激しい下痢や嘔吐、脱水症状を引き起こし、入院が必要になるケースもあるため、日本小児科学会をはじめ多くの医療機関ではワクチン接種が推奨されています。

ワクチンを接種しても感染を完全に防げるわけではありませんが、重症化や入院のリスクを大きく減らせることが分かっています。接種するかどうかは最終的に保護者の判断となりますが、メリットと副反応などのリスクを正しく理解したうえで決めることが大切です。不安がある場合は、かかりつけの小児科医に相談し、赤ちゃんの健康状態に合わせて判断するとよいでしょう。

接種後に吐いてしまったらどうすればいいですか?

ロタウイルスワクチンは飲むタイプ(経口ワクチン)のため、「飲んだあとに吐いてしまったら効果がなくなるのでは」と心配する保護者も少なくありません。

しかし、接種後に少し吐き戻したり、口からこぼれたりした程度であれば、体内にはすでに一定量のワクチンが入っていることが多く、通常は再接種の必要はないとされています。

一方で、接種直後にほぼすべてを大量に吐き戻した場合や、飲めたかどうか判断が難しい場合は、自己判断せず接種した医療機関へ連絡しましょう。医師が状況を確認したうえで、追加の対応が必要かどうかを判断してくれます。

接種当日は赤ちゃんの機嫌が良いタイミングを選び、授乳やミルクの時間についても医療機関の指示に従うと、吐き戻しを防ぎやすくなります。

他のワクチンと同時接種できますか?

ロタウイルスワクチンは、ヒブワクチンや小児用肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン、四種混合ワクチンなど、他の定期接種のワクチンと同時に接種することができます。同時接種によって安全性が下がるという報告はなく、多くの医療機関で組み合わせたスケジュールが提案されています。接種する本数が多いと不安に感じる保護者もいますが、こまめに通院する負担を減らせるというメリットもあるため、かかりつけ医と相談しながらスケジュールを組んでみましょう。

接種日に体調が悪い場合はどうなりますか?

接種当日に発熱や強い下痢、嘔吐など体調が優れない場合は、安全のため接種を延期することがあります。

一方で、軽い鼻水や軽度の咳など、症状が軽い風邪であれば接種できるケースもあります。ただし、最終的に接種できるかどうかは、医師が当日の診察で判断します。

無理をして接種すると、体調不良による症状と副反応との区別がつきにくくなることもあるため、赤ちゃんの体調が万全な状態で受けることが大切です。

ロタウイルスワクチンは接種できる期間が限られているため、延期する場合でも期限内に接種を終えられるよう、できるだけ早めに医療機関へ連絡して日程を調整しましょう。

ロタウイルスにかかったことがあっても接種できますか?

一度ロタウイルスに感染したことがあっても、別のタイプのロタウイルスに感染する可能性があるため、ワクチン接種の対象になります。過去の感染によって重症化のリスクがなくなるわけではないため、接種期限内であれば引き続き接種を検討することができます。「一度かかったから安心」と思い込まず、接種の対象月齢のうちに医師に相談してみましょう。

まとめ

ロタウイルスワクチンは、ほとんどの子どもがかかるロタウイルス感染症の重症化や入院を防ぐための、大切な定期接種のひとつです。ロタリックスとロタテックのどちらを選んでも同様の効果が期待できますが、接種期限が厳格に決まっているため、生後6週になったらできるだけ早めにスケジュールを立てることが大切です。接種後は腸重積症などの症状にも注意しながら、赤ちゃんの様子を見守りましょう。副作用や接種のタイミングについて不安なことがあれば、一人で悩まずかかりつけの小児科医に相談してください。正しい知識を持っておくことが、赤ちゃんと家族の安心につながります。

参考文献

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この記事を書いた人

小児看護師・助産師・保健師・IBCLC。
小児科・産婦人科における11年の臨床経験を基に、母子保健領域での支援活動に従事。新生児ケア、授乳指導、乳幼児の発達支援、育児相談など幅広い分野に対応している。
エビデンスに基づいた情報提供と、日常に落とし込みやすい具体的なアドバイスに定評があり、医療・育児分野の記事監修も行っている。
現在は自身も0歳児の育児に取り組んでおり、専門家としての知見に加え、実体験に基づいたリアルな視点からの情報発信を大切にしている。

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