遠隔診療(オンライン診療)は、病院に通わずとも自宅で医師の診察をリアルタイムで受けられる新しい医療の形です。遠隔診療が可能な病院なら、スマホまたはパソコンとインターネットが使える環境さえあれば、時間や場所を問わず診察が受けられます。
小さなお子さんがいるご家庭や、仕事が忙しくて通院が難しい方でも気軽に医療相談ができることもあり、近年とても注目されているシステムです。遠隔診療は人との接触が制限されていたコロナ禍をきっかけに一気に広がり、慢性疾患の定期的なフォローや小児科診療で特に活用が進んでいます。
本記事では遠隔診療の定義や利用方法・現状と活用事例を分かりやすく解説し、現在抱える問題点や課題解決、普及させるための支援情報も併せて紹介します。
遠隔診療(オンライン診療)とは

遠隔診療(オンライン診療)とは、医師と患者が情報通信機器を活用して、リアルタイムで診察・診断を行う診療行為です。ビデオ通話などを通じて、患者の症状を医師が確認し、診断・処方経過観察などを遠隔で完結させる仕組みで、対面診療と同等の質を保ちながら、地理的・時間的な制約を大きく軽減できる点が最大の特徴です。
特に感染症の流行時など体の接触を避けたい場面や、通院が困難な人にとって安全かつ柔軟に対応できます。
遠隔診療(オンライン診療)のメリット

医療のデジタル化が進むなか、近年注目を集めているのが遠隔診療(オンライン診療)です。スマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられるため、「通院の負担を減らしたい」「忙しくて病院に行く時間が取れない」といった悩みを抱える人にとって、心強い選択肢となっています。
ここでは、遠隔診療ならではのメリットについて、具体的なポイントごとに分かりやすく解説します。
時間や場所に縛られず受診できる
遠隔診療の最大のメリットは、通院のための移動や待ち時間が不要な点です。自宅や職場など、インターネット環境があれば場所を選ばず受診できるため、仕事や育児、介護で忙しい人でも医療にアクセスしやすくなります。通院に片道1時間以上かかっていた人や、外出が負担になりやすい高齢者・慢性疾患を抱える人にとっても大きな利点です。
診察時間も予約制が中心で、スケジュール調整がしやすく、生活リズムを崩さずに治療を継続できます。
感染リスクを抑えながら診察を受けられる
医療機関の待合室は、多くの患者が集まるため感染症のリスクが気になる場所でもあります。遠隔診療であれば、病院へ足を運ぶ必要がないため、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染リスクを最小限に抑えることが可能です。特に免疫力が低下している人、妊娠中の方、小さな子どもを連れての受診に不安がある家庭にとって安心材料となります。
体調が悪く外出が難しいときでも、無理をせず医師の診察やアドバイスを受けられる点も大きな魅力です。
継続治療や相談がしやすく医療へのハードルが下がる
遠隔診療は、慢性疾患の定期フォローや、症状が安定している患者の経過観察と相性が良いとされています。通院の負担が減ることで「少し気になる」「薬について相談したい」といった軽い相談もしやすくなり、受診控えを防ぐ効果が期待できます。
また、医師と定期的につながることで、自己判断による服薬中断や治療放置を防ぎやすくなります。結果として、早期対応や重症化予防につながり、患者にとっても医療側にとってもメリットの大きい仕組みといえるでしょう。
子どもも利用できるおすすめオンライン診療サービス

近年はスマートフォンから医師の診察を受けられるオンライン診療が広がり、子どもも利用できるサービスも増えました。
ここでは夜間や休日の急な発熱・通院が難しいときにも自宅から相談できるおすすめのオンライン診療をご紹介します。
キッズドクター

キッズドクターは、スマホアプリで全国どこからでも受けられる子ども向けオンライン診療サービスです。ビデオ通話を通して小児診療に慣れた医師が診察を行い、症状に応じて処方箋を発行します。
診察は健康保険・子ども医療費助成が適用され、診察費以外のサービス利用料はかかりません。また看護師へのチャット健康相談機能もあり、症状の聞き取りや受診の目安相談ができます。夜間・早朝・休日の診療にも対応しており、通院が難しい状況でも自宅で受診できる安心感が特長です。
キッズドクターの特徴
- 夜間・休日も診療対応
- 看護師へのチャット相談
- 保険・医療費助成適用
- 処方箋発行対応
- 自宅からビデオ診療可能
| 地域 | 全国対応 |
| 診療科目 | 小児科(主に子どもの体調不良全般) |
| 薬の郵送範囲 | 全国の提携薬局で受け取り(配送は薬局による) |
| 予約〜会計以外の機能 | 看護師へのチャット健康相談 |
| 診療・薬・送料以外の利用料 | 診察費以外の利用料・手数料なし |
| 決済方法 | 健康保険・医療証対応、オンライン決済等※診療費負担は地域・保険により異なる |
| アプリ操作サポート | アプリ内ガイド・FAQ・問い合わせ窓口あり |
- 夜間・早朝・休日に子どもの体調不良で受診したい家庭
- 病院へ行く前にチャットで看護師に相談したい人
- 通院が負担な場合、自宅で診察・処方を受けたい人
- 健康保険・子ども医療費助成を使ってオンライン診療を利用したい人
- 子どもの些細な症状でも気軽に医師に相談したい人
オンラインこども診療

オンラインこども診療は、小児科専門医によるオンライン受診・相談サービスです。チャット健康相談からビデオ通話での診療まで選べ、子どもの体調や不安に合わせた受診が可能です。
予約・相談は24時間受け付けており、特に夜間(19時〜翌6時)などは小児科専門医が待機して対応しています。単発プラン(1診療330円)か、月額制(レギュラープラン・1,100円)で何度でも相談・受診できる仕組みになっています。
処方が出た場合は薬局受取や配送にも対応し、受診から薬受け取りまで一貫して利用できます。
オンラインこども診療の特徴
- 小児科専門医が健康相談・診療に対応
- チャット相談・ビデオ診療から選べる
- 予約・相談は24時間可能(医師対応は19時〜翌6時)
- 単発プランと月額使い放題プランあり
- 処方箋発行・薬局受取・配送まで対応
- 子育て経験のある小児科専門医が在籍
| 地域 | 全国対応 |
| 診療科目 | 小児科専門医対応 |
| 薬の郵送範囲 | 薬局受取・一部配送対応(地域により) |
| 予約〜会計以外の機能 | チャット健康相談・ビデオ通話相談 |
| 診療・薬・送料以外の利用料 | システム利用料330円(単発)/月額1,100円で無制限相談 |
| 決済方法 | クレジットカード等オンライン決済 |
| アプリの操作サポート | アプリ内説明・サポート窓口 |
- 夜間や早朝など病院が開いていない時間に受診したい人
- 子どもの体調不良について気軽に相談したい人
- 同じ医師に何度でも相談したい家庭
- 処方箋の受取や薬の配送までオンラインで完結したい人
- 子育て中の不安を専門医にチャットやビデオで相談したい人
あんよ

あんよは、小児科にかかりたい親子と在宅医師をつなぐオンライン診療サービスです。スマホやLINEから簡単に予約し、ビデオ通話で小児科医による診察を受けられます。保険診療として診療料や薬代が通常の病院と同じ扱いになり、子ども医療費助成制度の適用にも対応。
処方箋は全国の提携薬局で受け取れるほか、一部地域では自宅配送も選択できます。医療事務や受付はサービス側が代行し、診療から薬受け取りまで一気通貫で利用できます。
あんよの特徴
- 小児科医によるオンラインビデオ診療
- スマホ・LINEから簡単予約・問診入力
- 保険診療・子ども医療費助成対応
- システム利用料無料
- 処方箋は薬局受取または一部地域で自宅配送
- 医療事務・受付をサービス側が代行
| 地域 | 全国対応(薬局は全国/配送は一部地域) |
| 診療科目 | 小児科中心(子どもの体調不良全般) |
| 薬の郵送範囲 | 一部地域で自宅配送対応(一部都市) |
| 予約~会計以外の機能 | LINEで簡単予約・問診入力・受付説明など代行対応 |
| 診療・薬・送料以外の利用料 | システム利用料無料(保険診療料のみ) |
| 決済方法 | クレジットカード等(保険診療の支払い) |
| アプリの操作サポート | LINE公式アカウント・サポート窓口対応 |
- 子どもの急な体調不良を自宅で診てもらいたい人
- 病院へ行く時間や待ち時間を減らしたい人
- 子ども医療費助成制度を活用したい家庭
- 処方箋から薬受け取りまでオンラインで完結したい人
- スマホ・LINEで簡単に予約・診察したい人
ファストドクター

ファストドクターは、24時間365日利用可能な総合医療サービスで、スマホからオンライン診療や救急往診の申し込みができます。全国の提携医療機関の医師が、ビデオ通話を使った診察で急な発熱・風邪・腹痛などの症状に対応し、小児科・内科・皮膚科・心療内科など幅広い診療科目をカバーしています。
保険証や子ども医療証が利用でき、初診はアプリから申し込むとシステム利用料が無料になる場合もあります。診療後は近くの薬局で薬を受け取るか、自宅配送も可能で、夜間休日の受診負担を大幅に軽減します。
ファストドクターの特徴
- 24時間365日オンライン診療対応(保険適用)
- 小児科・内科・皮膚科・アレルギー科・心療内科など幅広い診療科目に対応
- スマホ・アプリから簡単に申し込み可能
- 初診時は医療証適用でシステム利用料が無料の場合あり
- 診療後の処方薬は薬局受取または自宅配送(地域により対応)
- 救急往診への切り替えも可能(オンラインだけでなく往診サービスも)
| 地域 | 全国対応(オンライン診療は全国・往診は一部都市等) |
| 診療科目 | 小児科・内科・皮膚科・アレルギー科・心療内科・精神科など多数対応 |
| 薬の郵送範囲 | 薬局受取中心、一部地域で自宅配送可能(薬宅配対応) |
| 予約~会計以外の機能 | 往診サービスの依頼、診療待ち時間のリアルタイム確認など |
| 診療・薬・送料以外の利用料 | 初診はアプリ申込でシステム料無料(医療証適用時)/再診・診療時間帯で異なる場合あり |
| 決済方法 | 健康保険・医療証対応、クレジットカード・NP後払い(コンビニ等)も可能(一部支払い方法) |
| アプリの操作サポート | アプリ内案内・サポート窓口あり(アプリ説明・問い合わせ対応) |
- 夜間・休日など病院が空いていない時に医師の診察を受けたい人
- 子どもや家族の急な体調不良を自宅で受診したい人
- 複数の診療科目にオンラインで相談したい人
- 診察後の薬を薬局で受け取るか、自宅に配送したい人
- オンライン診療だけでなく往診サービスも利用したい人
オンライン診療のやり方

はじめて利用する保護者でも迷わないように、事前準備から診療後のフォローまでを時系列でまとめました。実際の流れを知っておくことで、子どもが体調を崩したときにも落ち着いて対応できます。
- サービスのアプリをダウンロード
- 氏名・生年月日・連絡先を登録
- 保険証・医療証をアップロード
- 支払い方法(クレジットカード等)を登録
ここまで事前に済ませておくと、急な発熱時でもスムーズです。
- 症状を選択(発熱・咳・腹痛など)
- 体温・経過・服薬状況を入力
- 診療方法(ビデオ通話など)を選択
- 希望時間を指定
この問診内容をもとに医師が診察を行います。
- スマホのビデオ通話で医師と接続
- 症状の説明
- カメラで喉や発疹などを見せる
- 必要に応じて生活指導・処方判断
小児の場合は、保護者が代わりに説明します。
診察後に処方が出た場合は以下のいずれかになります。
- 近くの薬局で受け取り
- 提携薬局から自宅配送
薬局から電話確認が入る場合もあります。
- 診療費は保険適用(自己負担分のみ)
- 医療証があれば負担なしの場合もあり
- 登録済みクレジットカードで自動決済
明細はアプリ内で確認できます。
遠隔診療(オンライン診療)の現状|普及状況と活用事例

遠隔診療(オンライン診療)の急速な普及はコロナ禍がひとつのきっかけになったことは間違いないでしょう。続いて遠隔診療(オンライン診療)の市場規模やどのような場面で遠隔診療(オンライン診療)が活用されているかを解説します。
遠隔診療(オンライン診療)の市場規模
日本におけるオンライン診療市場は、近年急速に成長しています。IMARC Groupの調査によると、2024年の市場規模は約14億米ドル(約1,900億円)に達するとされ、2025年から2033年にかけて年平均成長率(CAGR)で拡大し、2033年には約72億米ドルに達する見込みです。
市場の急激な成長を背景に、オンライン診療を正式に届け出る医療機関も着実に増加傾向にあります。日本医師会の発表によると、令和6年(2024年)10月1日時点で届け出済みの医療機関は12,500機関に達しており、都市部だけでなく地方にも広がりを見せています。今後も制度整備や通信インフラの向上により、さらなる市場規模拡大が期待されています。
オンライン診療が日本全国に浸透することで、これまで医師による診察そのものが困難な地域に住んでいる方も、都市部と変わらないレベルの診察が受けられるようになり、医療の質も大幅に向上することでしょう。
コロナ禍を契機に進化する医療現場
新型コロナウィルス感染症の拡大は、オンライン診療の普及を一気に加速させました。2020年4月、厚生労働省は感染拡大防止を目的とした時限的・特例的措置として、以前までは認められていなかった初診からのオンライン診療を課金しました。初診からオンライン診療が可能となったことにより、感染リスクを避けつつ診察を受けたいと考える患者と、院内感染を防ぎたいと考える医療機関の双方から需要が急増した結果、多くの医療機関がオンライン診療の導入に踏み切るようになりました。
また、患者側でも画面越しに診察を受けることへの心理的なハードルが下がり、特に通院が困難な高齢者や子育て世代からの支持が広がっています。現在では、多くのクリニックでオンライン診療が通常の診療手段のひとつとして定着しつつあり、医療の選択肢として確実に存在感を増しています。
慢性疾患・へき地医療・小児科などでの多様な活用事例
オンライン診療は、さまざまな診療分野で実用化が進んでいます。高血圧や糖尿病などの慢性疾患では、定期的な診察や血圧・血糖値の管理を自宅から行えるため、通院の手間が省けるだけではなく、服薬管理の継続性も保ちやすくなりました。また、専門医が不足しがちなへき地や離島でも、遠隔からの診療体制によって医療アクセスが確保されるため、交通インフラの制約も解消され、都市部と変わらない質の診療の提供が可能となっています。
小児科領域では、院内感染リスクを避けたい家庭にとってオンライン診療は有効な選択肢となっていて、自宅で診療と薬の処方が可能であることによって、保護者の通院負担も軽減されるといったメリットが得られるのもオンライン診療の大きな特徴です。慢性疾患・へき地医療・小児科領域での事例は、オンライン診療の多様な可能性と、医療現場の課題解決への貢献を示しています。
なぜ遠隔診療(オンライン診療)が求められているのか?

高齢化の進行・働き方の多様化・医師不足・感染症対策等、現代社会が抱える課題に対応する手段として、遠隔診療(オンライン診療)の導入は世間的にも強く求められています。
医療アクセスの拡大と効率化
遠隔診療は医療機関へのアクセスが困難であった人々に新たな選択肢をもたらしています。山間部や離島といった地理的に不利な地域に住んでいる人々や、仕事や家庭の事情で診療時間内に通院できなかった層が、オンラインを通じて必要な医療を受けられるようになりました。
また、医療機関側でも受付や問診票の事前入力、決済手続きのオンライン化によって業務負担が大幅に軽減されるなど、診療の効率化に対する遠隔診療の役割は大きいです。患者側も診察に呼ばれるまでの待機時間が短縮されるなど、時間的ストレス軽減にも繋がっています。日本では少子高齢化が急速に進行しています。地方の村では過疎化が大きな問題であり、医療機関へのアクセスが困難になる人も増える可能性が高いです。
しかし、遠隔診療が日本全国に普及すれば、限界集落に住んでいる高齢者の医療問題も解決できます。
患者のニーズや満足度の実現
近年、オンライン診療に対する患者のニーズは急速に高まっています。利便性や柔軟な診療形態を求める声が増えており、総務省の調査ではオンライン診療を受診した63名のうち54名が、大変満足または概ね満足と回答しました。通院の負担軽減や迅速な相談が可能であることから、タイムパフォーマンスを重要視する若年層を中心に、オンライン診療を利用したいと考える患者層は拡大傾向にあります。
オンライン診療へのニーズが高まっていることを受けて、医療機関側でも満足度向上を目指し、オンライン診療の導入やサービス充実を加速させる動きが活発化しています。アンケートなどによって届けられる患者の声を反映し、今後はさらに利用しやすい環境整備が進められることでしょう。
医療機関・患者のコスト削減
医療機関の経営環境は厳しさを増していて、運営コスト削減の必要性が高まっています。遠隔診療は導入することで通院患者数の調整やスタッフの業務効率化を図ることができ、経費削減に多大な効果があるとして、近年注目されています。一方、患者側も交通費や通院時間の節約を重要視する傾向が強まっており、経済的・時間的負担の軽減を目的としたオンライン診療の需要が急速に拡大しています。
共働き家庭・定年退職後も働き続ける高齢者の増加に伴ってオンライン診療のニーズは高まることは確実で、医療機関が安定した運営を続けるには遠隔診療(オンライン診療)の導入が必要不可欠です。医療機関と患者双方のコスト削減も図れることもあって、遠隔診療(オンライン診療)は今後も導入する医療機関が増えていくことでしょう。
遠隔診療(オンライン診療)が抱える問題・デメリット

本章では、オンライン診療の普及に伴って可視化された乗り越えるべき課題を取り上げます。特に診断の限界やデジタルデバイド、法制度の問題点に焦点を当てて解説します。
診断の壁とセキュリティ問題
オンライン診療の最大の課題のひとつは、診断の質と安全性の確保です。対面診療では触診や聴診など、五感をフルに使った身体的な診察が不可欠ですが、オンライン診療だと対面診療とまったく同じ診療はできません。診察手段が限られていることから患者の症状に冠する情報が制限され、護身のリスクが高まる恐れがあります。
一方で、セキュリティ面では医療データの流出リスクが常に存在しており、通信システムの障害時や緊急時の医療連携の難しさも指摘されています。このような課題に対応するため、厚生労働省は安全なシステム運用や情報管理の指針を作成し、医療機関に対しては提示された指針に伴った厳格な管理体制の構築が求められています。
ITリテラシーの課題
遠隔診療(オンライン診療)において、ITリテラシーの差は大きな課題のひとつです。患者側ではアプリのインストールやビデオ通話の捜査などに不慣れな方が一定数存在しています。特に高齢者はオンライン診療へのアクセスそのものが難しいことが大きな課題となっています。一方で医療従事者も、システムの捜査やオンライン上での患者対応スキルの習熟が求められます。
双方で捜査に不慣れな方が存在しているという点では、導入や利用において大きな障壁となっていることは否めません。利用者側と医療従事者双方のデジタル技術の習得差を埋めることが、遠隔診療(オンライン診療)を広く普及させるためには必要不可欠です。適切な支援や教育が必要であるとともに、ITリテラシーが低い方でも扱いやすいツールの開発が急ピッチで進められています。
患者・医療機関双方の負担と適応範囲の限界
オンライン診療は、患者側に自宅での通信環境整備と通信機器の準備が必要であるとともに、オンライン上での医師との対話に慣れる必要があります。一方で医療機関側では遠隔診療(オンライン診療)を可能にするための新たなシステム導入費用やスタッフの研修、法的責任範囲の不明確さが課題となっています。
また、オンライン診療には対応可能な疾患が限定されており、心筋梗塞・脳卒中を始めとした緊急対応が必要な疾患・血液検査・レントゲン撮影など大半の検査では対面診療が必須です。現状、遠隔診療(オンライン診療)だけですべての診療を賄えるわけではなく、オンライン診療クリニックの制約は普及するうえで大きなハードルとなっています。
遠隔診療(オンライン診療)の課題解決策

オンライン診療にはさまざまな課題があることは確かですが、課題に対して何ら対策を講じていないわけではありません。遠隔診療(オンライン診療)が抱える課題に対しては現在までに様々な対策が講じられており、その中には確かな効果を残したものも多々あります。
技術・運用の見直し
オンライン診療の普及に向けては、技術と運用の両面での取り組みが必要不可欠です。技術面ではAIを活用した問診支援システムや高精細な映像伝送技術、遠隔診断用のデバイス開発が進められています。先に紹介したシステムや技術が実用化されれば診断精度や利便性の向上が期待できることでしょう。
また運用面では医療機関向けの導入マニュアルや医療スタッフ間でのスムーズな連携体制の整備が必要になります。運用面での課題を解決する対策を進めることによって、オンライン診療は単なる対面診療の代替手段ではなく、地域格差を埋める社会インフラとして定着する可能性を持っています。
サポート体制・教育による解決策
オンライン診療を安心して受診してもらうには、スムーズな運用を支えるサポート体制と医療従事者への適切な教育が必要不可欠です。患者に対してはビデオ通話の事前テスト機能の提供や、24時間対応の診察サービスなどが導入されており、トラブルや不安の軽減に役立っています。
一方で医療従事者に対しては、オンライン診療クリニックにおける問診スキルや通信機器の操作、患者との丁寧なコミュニケーションスキルを習得するための研修スケジュールが義務化されています。さまざまな取り組みによって、誰もが使いやすさを実感する遠隔診療の実現が少しずつ進められており、近い将来多くの人が遠隔診療の恩恵を受けることになるでしょう。
5G・ローカルネットワーク活用など新技術の導入
遠隔診療の進化には5Gやローカルネットワークの活用など新たな技術の導入が大きな役割を果たします。5Gの超低遅延・高精度な映像の伝達により、遠隔地にいる医師であっても詳細に写された映像を使う事で、正確かつ的確な診療が可能です。
また、地域限定のローカル5Gを導入することで医療機関内や地域の施設間での情報共有が安全かつ迅速に行えるようになります。これら新技術の活用によって診察の正確さやスピードの向上に繋がり、より多くの人が安心してオンライン診療を受けられるような環境を整えるための活動が全国で進められています。
遠隔診療(オンライン診療)を普及させるための支援

オンライン診療が抱える課題を解決する活動を進めていくとともに、オンライン診療の導入を検討している医療機関や利用を検討する人々に対しての支援も行われています。
公的補助金による遠隔診療(オンライン診療)設備の支援
オンライン診療を導入する医療機関に対しては、通信機器やシステム整備に必要な費用を補助する制度が整備されています。国や自治体が提供している補助金制度を活用すれば、高額になりがちな初期投資の負担を大きく軽減でき、円滑な導入と安定した運用を実現可能です。
国や自治体のオンライン診療に対する支援策は、地域間で生じるオンライン診療の普及格差を是正するだけではなく、医療格差そのものの改善にも繋がる取り組みとして非常に期待されています。
継続的なフォローアップ・健康相談体制
オンライン診療では治療が完了してからも、医師や看護師が元患者の体調や生活状況を定期的に確認し、必要に応じて健康や服薬の相談に応じられる体制が整えられている場合もあります。オンラインでのフォローがあれば、体調の変化を早期に察知しやすくなるため、特に高血圧や糖尿病といった慢性的な疾患の患者にとっては大きなメリットです。
医療機関によっては、LINEや専用のアプリを使ったフォローアップを導入しており、より身近で安心できる医療サービスの提供が進んでいます。
遠隔診療(オンライン診療)のよくある質問
遠隔診療(オンライン診療)に関してよくある質問に対しての回答例をまとめました。初めて利用を検討している方の多くが感じる疑問や不安に感じる点を解決する内容となっています。
Q1. 遠隔診療(オンライン診療)はどんな機器やアプリが必要ですか?
オンライン診療を受けるにはスマートフォン・パソコン・タブレット端末のいずれかが必要です。加えて快適にオンライン診療を受けるには安定した速度のインターネット回線・カメラやマイク機能・専用アプリやブラウザを利用可能な状態を整えましょう。
Q2. 遠隔診療(オンライン診療)で初診は受けられますか?
医療機関によっては初診からオンライン診療が選択可能なところもあります。しかし、かかりつけ医であることや過去の診療記録を医師が確認できる状態であることなど、条件を満たさなければなりません。初診からオンラインでの診療が可能かどうか、予約前に確認するとよいでしょう。
Q3.予約できる日時などは決まっていますか?
オンライン診療が予約できる日時に関しては医療機関によって異なっており、24時間年中無休でオンライン診療を受け付けているところもあれば、時間が限られている医療機関もあります。また、当日予約が可能なところもあるので、詳しくは医療機関のホームページなどで確認しましょう。
Q4.遠隔診療(オンライン診療)の診療料はどのように決まりますか?
オンライン診療の診察料は保険適用となる治療であれば、対面治療と同じく健康保険が適用されて3割負担となる場合がほとんどです。ただし、オンライン診療情報通信機器を用いた治療として、追加で費用が加算される場合や、システム利用料・予約手数料が加算される場合もあります。
Q5.セキュリティや個人情報の取り扱いは大丈夫ですか?
オンライン診療サービスでは通信の暗号化やアクセス制限・2段階認証など、患者の個人情報が外部に漏れないようにセキュリティ対策が徹底されています。厚生労働省のガイドラインに基づいて医療情報の管理は適切に行われているため、安心して利用できます。
まとめ
オンライン診療は時間や場所の制約を超え、患者が自宅などから気軽に医療を受けられる新たな仕組みとして急速に普及しています。通院による時間的負担の軽減・医療の効率化といったメリットをもたらしている一方で、診察内容の限界やITリテラシーの課題といった問題点を抱えているのも事実です。
しかしAIや、5G技術の導入、サポート体制の構築など技術と運用の改善により課題は着実に解決されつつあります。より安全かつ身近な医療サービスとして、オンライン診療は今後の医療だけではなく社会にとって必要不可欠な存在になっていくことでしょう。
参考:オンライン診療について|厚生労働省
参考:遠隔医療の魅力と課題:日本の現状と展望│記事│オンライン診療・服薬指導の導入支援なら日本調剤
参考:オンライン診療について 国民・患者の皆様へ|厚生労働省
参考:オンライン診療の流れとは?処方薬を受け取るまでの手順を詳しく解説|アイシークリニック【公式】
参考:【2024年最新】医療におけるICTとは?導入のメリットや活用事例を解説 | 株式会社ソラスト
参考:遠隔診療の普及と働き方の変化:医師の新しい働き方と医療の未来 | 株式会社ピクテラ
参考:日本の遠隔医療市場は2033年までに72億米ドルに達する見込み – IMARC Group
参考:オンライン診療のこれからについて情報交換 | 日医on-line
参考:新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について|厚生労働省
参考:高まる需要!患者ニーズに応えるオンライン診療│記事│オンライン診療・服薬指導の導入支援なら日本調剤
参考:へき地の医療現場におけるオンライン診療の実際
参考:どこでも高品質な医療サービスを! オンライン診療の現在地 | BizDrive(ビズドライブ)−あなたのビジネスを加速する|法人のお客さま|NTT東日本
参考:オンライン診療とは?導入のメリット・デメリット・注意点や医療機関ができる工夫 | 株式会社ソラスト
参考:オンライン診療の普及促進に向けたモデル構築にかかる調査研究(概要版)
参考:医療関係者必見!オンライン診療の料金体系と導入にかかる費用│記事│オンライン診療・服薬指導の導入支援なら日本調剤
参考:電話診療・オンライン診療に関するアンケート結果
参考:「オンライン診療の適切な実施に関する指針」セキュリティ該当部分(抄)
参考:オンライン診療・電話診療でスムーズに患者さまとコミュニケーションを取る2つのポイント|医師向け情報メディア「ドクタービジョン+」
参考:オンライン診療のメリット・デメリット
参考:【医療機関向け】オンライン診療の対象疾患一覧表 | CLINICS(クリニクス)
参考:オンライン診療その他の遠隔医療の推進に向けた基本方針
参考:オンライン診療研修実施概要
参考:5G時代に遠隔診療はどう変わるか | メディアスホールディングス株式会社
参考:5G時代の「遠隔医療」を考える
参考:遠隔医療に関するホームページ|厚生労働省
参考:フォローアップ – 往診とオンライン診療ならファストドクター
参考:高血圧イーメディカル
参考:資料1 初診からのオンライン診療の取扱いについて
参考:情報通信機器を用いた診療
参考:情報通信機器の運用に要する費用とは | オンライン診療サービス curon(クロン)
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